日本酒「薄青瓶問題」について
2019/4/17追記
(本記事に関して、新情報が出たので続報記事を書いています。興味があればご覧ください)
最近日課である酒飲み達のツイートをチェックしていたところ、非常に気になるつぶやきを見つけました。
超有名店「GEMbymoto」の店長である千葉麻里絵様の、日本酒ボトルに関する次のツイートです。
RiCEの創刊号にも書いた内容。
— GEM by moto (@marimarimo125) 2018年6月20日
こちらは昔のFacebook内容ですが、5年前よりもだいぶ、右から二番目の瓶減ってきたけど(透明瓶に外側の青色着色は問題なし)夏酒で爽やかテイストで売るなら考えるべきかなと。酒質が外部要因(瓶)でたった1ヶ月で官能評価において明らかにひねます。紫外線関係なし。 pic.twitter.com/lkrjugpOLt
普通なら「へー気をつけよう」ぐらいで終わるところですが、私には強いインパクトがありました、思い当たる経験があったからです。(この記事は、その経験を伝えることで、この「日本酒薄青瓶問題」を少しでも多くの人に認識してほしいという思いで書いております)
私はこのブログに大体1,000本ぐらいの家飲み記録を載せていますが、そのうちたった一本だけ「老ね(ひね)」を理由としてお蔵入りにしたお酒があり、それがこの青瓶だったんですよ。
お酒は「*MUNEMASA 生酒 純米吟醸 夏の生吟 28BY」、2017年7月出荷、9月19日開栓でした。


(↓ここから当時の感想)
上立ち香は…、げ、熟を若干通り越した老ねた感じの香りがそこそこに。
含むと、やはり牛乳感のある生老ね特有の嫌な風味と、甘さが混じり合った感じの何とも残念な感じ。
結構色づいてますし、これは完全に過熟という感じでしょう。
珍しいことに裏ラベル記載に賞味期限が書いているのですが、それは六ヶ月でまだ期間内なんですよね。
この味を蔵元が許容しているのか、保存状態に難があったのかは不明ですが、
(感想ここまで)
ここまで書いて、「こりゃ記事にするには保存状態が悪すぎるな」と思ってお蔵入りにした次第です。
なお、こちらは通販で買ったのですが、同梱した他のお酒は全く問題無し。
さらに、MUNEMASA自体は以前通常の純米吟醸生酒を飲んで好印象でした(これも多分同じ瓶ですが、出荷即購入即開栓)。
上では牛乳感と書いてますが、より正確には「常温でちょっと置いた牛乳」ってな含み香ですね。
ど素人の私では官能検査的な判断は全然できないのですが、実際、私が家飲み酒にハッキリ後ろ向きの「老ね」を感じることは年に一度あるかないかぐらいですし、それが薄青瓶だったことはやはり偶然ではないような気がしています。
なお、これまた老ねを感じた越の王紋もそうだったらより疑いは強まるのですが、こちらはさらに色が薄い水色瓶なのでそこは関係ないのかな…(今思うとこちらは遮光性の問題のような)。
(ちなみに瓶の見分け方については、千葉店長はこの様なツイートもされていました)
全体の瓶の見た目がぱっと見一緒でも、開栓すると首の色が違います
— GEM by moto 千葉麻里絵 (@marimarimo125) 2018年6月21日
右 薄い青色瓶。香味が変わりやすい
左 透明瓶に外側だけ色加工されている(お酒にダイレクトに薄い青の着色部が触れていない)瓶。香味の変化ははやくない
青瓶の涼しい見た目も好きなので夏酒として青色でやるなら左が良いですね。 pic.twitter.com/JTzA7dxNYV
これを見た後、家にあった「つきよしの 純米吟醸生原酒」(3月出荷、6月20日開栓)を飲んでみたのですが、やっぱり老ね感はあったと思います。
つきよしの自体は外飲みの印象がすこぶる良くて、楽しみにしていたこともあってこれにはがっくりきてしまいました…


ちなみに、瓶の成分由来の劣化が言われているのは特定の薄青瓶だけなのですが、そもそも青系の瓶は全体的に紫外線に関する遮光性が低いという問題もあったはずです。(このことは結構知られていると思います)
こちらは冷暗所に置いたり新聞紙を巻けばある程度対策できますが、やはり知らないと結構危ない気がしますね。
この問題に関して過去の記事も見直したのですが、自分が夏酒嫌いなこともあってあまり事例が無かったです…(若干怪しいのはありましたが)、まあ個人では結局どこまでいっても感覚の話になってしまいますしね。
ただ、ツイッター上ではかの新政酒造の佐藤社長や、こだわりの地酒屋の児玉店長も言及しており、自分の経験無しにしても、薄青瓶問題はかなり信憑性が高いものと思っております。
正直最近は見た目重視で青瓶採用が増えてきている気がするので(あの花ラベルとか…)、早めに業界としてしっかり対策して欲しいと、個人的には強く思いますね。
最後に補足いたしますが、この記事では個人の体験として具体例を上げていますが、特定の銘柄をディスるつもりは全くございません。
MUNEMASAもつきよしのも、むしろ推していきたい銘柄ですし…
私にこの記事を書かせた動機は、「せっかく丹精を込めて醸された日本酒がボトル由来で劣化するのは勿体無さ過ぎる!」という思いですね。
遮光性も含め保存性に疑問のある薄青瓶が、単に見た目重視で増えていくという事態だけは避けて欲しいというのが、自分の素直な気持ちです…
(P.S)もし思い当たる節がある方がいたら、コメントいただけると嬉しいです。
事例が集積したほうが説得力があると思うので…
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