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自然酒 和醸 特別純米 袋吊り無濾過生原酒 29BY

家飲み記録 自然酒 和醸 特別純米 袋吊り無濾過生原酒 29BY

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 福岡県京都郡みやこ町のお酒です。
 当ブログでの登場は7回目とかなりのペース。

 前回飲んだ印象が非常に良かったこともあり、リピートさせていただきました。
 数年前から繰り返し言っていますが、未だに福岡県外の取扱い店がうのかわ酒店さんだけっていうのが納得いかないんですよね…、これだけ地酒屋が存在するのに、ちゃんと情報収集しているのかとすら思ってしまう次第。
 私としては、うのかわ酒店さんに発注する場合はほぼ必ずこちらの蔵のお酒は同梱するぐらいに、絶大な信頼を寄せているところです。

 さて、今回いただくのは地元の無農薬栽培山田錦利用の無濾過生原酒、精米歩合は60%です。
 詳細スペックの記載が有るのはありがたいですね、日本酒度+10とかなり高めなのが目につきます。
 製造年月は2018年の10月ですが、29BYということなので1年程度の生熟期間を経ているものと思われます。

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 上立ち香はアルコール混じりの濃厚な完熟果実香が控えめに。
 含むと、柔らかい酸と辛さで程よく引き締まった印象の旨味が自然な口当たりで入ってきて、最後まで存在感を保ちながらもスルスルと喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、洋梨的な風味を纏った甘さ控えめの酸旨味が中心ですね、ただ苦味等の雑味は皆無で、熟し方は極めて柔らかく、全体としては一種の軽さと飲みごたえをバッチリ両立させている印象。
 後味は、いやあこれがほんのりとアルコールを感じさせつつも自然に消え失せる感じで、完璧レベルのキレですね。

 ボリュームたっぷりのコクを感じさせつつ、後味のキレが素晴らしい、ダイナミックバランス酒でした。
 これは完全に飲み進めるほど魅力が増してくるタイプのお酒ですね…、実際開栓後常温保存でも全く問題無し、速醸でこれだけ強いお酒は珍しいでしょう。
 この旨味の存在感は熟成無濾過生原酒ならではだと思いますが、袋吊り故か純度も高い感じなのが素敵ですね、いやあこちらの蔵はやっぱり実力派ですよ…
 実は同銘柄を早速リピートで飲んだので、次はそちらを紹介したいと思います。

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名称:自然酒 和醸 特別純米 袋吊り無濾過生原酒 29BY
蔵元情報:林龍平酒造場
購入価格(税抜):2,950円/1,800ml
購入した酒屋さん:うのかわ酒店(通販)
お気に入り度:8.6/9.0

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2019年08月31日 福岡の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

亀の海 「春うらら」 純米吟醸 うすにごり生

家飲み記録 亀の海 「春うらら」 純米吟醸 うすにごり生

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 長野県佐久市のお酒です。 
 同蔵のお酒の紹介は三回目ですね。

 今更ながら春酒です(実際に飲んだのは4月)、ピンク色のラベルが目を引きますね。
 個人的には、ラベルの見た目が実際の味わい感じ方に与える影響は想像以上に大きいのではないかと思っています。
 プロが利き酒するならともかく、素人が軽い気分で家飲みする場合、例えば結構モダンな味わいのお酒でも、見た目が昭和的レトロラベルなら、その印象にかなり引っ張られてしまうのではないでしょうか。
 もちろん造り手側が合わせてきているところもあるでしょうが、それ以上の影響を感じるんですよね。
 当然、色も大きな要素だと思います、ピンクだとやっぱり「甘味」を想像するんじゃないでしょうか。

 閑話休題、今回いただくのは長野らしい精米歩合59%の生酒です。
 うすにごり表記ですが、結構しっかりおりが絡んでいる感じ。

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 上立ち香はベリー系(?)っぽい落ち着いた甘い香りが気持ち強めに。
 含むと、柔らかくも押し出しの強いフレッシュな甘味がグググッと入ってきて、時間差で出てくる苦味でキッチリと引き締まりつつ、じわじわと染み込んできます。
 味わいは、う~んやはりベリー系の印象のある極めて濃厚な甘酸味が主役、苦味の強さも含め、芳醇系新酒生酒としては割とスタンダードな雰囲気ですね、ただその中でも甘味マシマシなのが特徴かと。
 後味は、苦味が引き取る形で結構力強くキレます。

 長野酒らしい濃厚な果実系の甘味と、強めながらも浮いた感じではない苦味がせめぎ合う、生酒の魅力を力強く味わえるお酒でした。
 この、苦味が強いけど甘味の濃度で全体としては柔らかい旨味の印象が残るっていうストロングスタイルは、個人的には好きなんですよね~、これぞ長野酒!というイメージ。
 ただまあ、今回はなんとなく個性やまとまりの点でもう一声という気もしました、何か武器が欲しいといいますか…
 亀の海(と茜さす)今後も機会があればいただきたいと思います。

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名称:亀の海 「春うらら」 純米吟醸 うすにごり生
蔵元情報:株式会社土屋酒造店
購入価格(税抜):1,350円/720ml
購入した酒屋さん:大阪屋酒店(吉祥寺)
お気に入り度:8.4/9.0

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2019年08月29日 長野の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

鍋島 純米吟醸 「風ラベル」 山田錦 生酒

家飲み記録 鍋島 純米吟醸 「風ラベル」 山田錦 生酒

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 佐賀県鹿島市のお酒です。
 ブログではもう何度も登場してますね、小山商店購入酒の6本目。
 なお、今回は8本まとめ買いした(下部写真参照)のですが、花陽浴咲耶美については、既にプチ感想を上げているので、今回でひと段落することになります。

 さて、この「風ラベル」は私が何年も前から欲しいと思っていたお酒です。
 いわゆる小山商店限定ラベルなのですが日本酒ブログ界隈では非常に有名で、私としては「酒呑親爺の酔って候」さんの記事「日本酒感想日誌」さんの記事「飲兵衛廃人の落書き帳」さんの記事等をみては「ああ飲んでみてえなあ」と詠嘆しておりました。
 今回小山商店さん初来訪の日が入荷日だったらしく、本当にたまたま入手できたので、それはそれは嬉しかったですね~、「自分は日本酒に愛されている!」と思いましたよええ(そう思い込むことが幸せ)。

 スペックは山田錦の精米歩合50%の生酒。
 私も以前飲んだことがある「パープルラベル」とこの辺りは同じですね、おそらくそこに何かプラスアルファの要素があるのでしょう。
 ちなみに一升瓶限定っぽいです。

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 上立ち香はちょっとガス混じりで若干酸もある、フレッシュな果実香が意外と控えめに。
 含むと、高密度かつバランスの取れたフルーティーな甘味が自然な口当たりで入ってきて、尻上がりに出てくる苦味で割としっかりと引き締められながら、じわじわと染み込んできます。
 味わいは、まさに王道を行く感じの蜜のある青りんご(?)的なほどほど高めの濃度ながら、ひたすらまとまりの良い印象、ただちょっと苦味が強いのが玉に瑕かなあ。
 後味は、やはり若干苦味の余韻を残しつつ、酸の働きとバランスの良さで見事にキレます。

 フルーティーな旨味の存在感をガッツリ感じさせつつ、極めて高次元なところで全体のバランスが取れている、ハイレベルモダン酒でした。
 いやあ、ちょっと濃度が抑えめなところも合わせて、生酒には珍しくスルスルと杯を重ねてしまう系のお酒ですね。
 なんというか、一種の方向性を突き詰めた感はありますね、フレッシュフルーティージューシー系ながら飲み飽きなさが凄い。
 ただ少々苦味がなあ…、まあこれは開栓後ちょっと置くと落ち着いてきました、もしかしたら居酒屋でより映えるお酒なのかも。
 鍋島の底力を感じる一本でした、またいつかやってみたいですね。

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名称:鍋島 純米吟醸 「風ラベル」 山田錦 生酒
蔵元情報:富久千代酒造有限会社
購入価格(税抜):3,150円/1,800ml
購入した酒屋さん:小山商店
お気に入り度:8.5/9.0

■おまけギャラリー:今回の購入酒記念写真
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 電車で一時間以上かけて持って帰ることを話したら驚かれました…

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2019年08月27日 佐賀の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

誉池月 純米 山田錦60 あらばしり 本生 「喜八スペシャル Ver.2」

家飲み記録 誉池月 純米 山田錦60 あらばしり 本生 「喜八スペシャル Ver.2」

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 島根県邑智郡邑南町(おおちぐんおおなんちょう)のお酒です。
 ブログでの登場は3回目、小山商店購入酒の5本目になります。

 目を引くのは何といっても肩ラベルの「喜八スペシャル」という記載でしょう。
 これは小山商店の店長である「小山喜八」さん肝いりの一品ということだと思われます。
 喜八店長は同店の象徴という印象がありますね、いわゆる地酒ブーム以前から多くの銘柄を見出し、広めていったレジェンド的存在かと…(「飛露喜」誕生に大きく関わっているのは特に有名でしょう)。
 ちなみに店内には店長直筆らしいお酒紹介の張り紙が大量に貼ってあったりします、実際目の当たりにするとかなりのインパクトでしたね。

 さて、今回いただくのは地元産山田錦を60%まで磨いた生酒。
 私が以前いただいたものと似たスペックではありますが、何気に「垂口直汲み」って記載も有りますね、この辺りに「喜八スペシャル」たる所以があるんじゃないかと想像します。
 今年の2月製造、5月開栓。

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 上立ち香はぶどう系の濃厚な果実香が気持ち強めに。
 含むと、非常に濃厚な甘味がしっかりと入ってきたかと思うと、徐々に強まる酸渋味でしっかりと引き締まりを保ちつつ、最後にはキリリとした印象で喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、最初に感じるマスカット的甘味と、一拍おいて出てくる酸渋味のバランスが実に個性的かつ魅力的な印象、甘味の心地よさと酸味の引き締まり、渋味の奥深さを見事に共存させていますね。
 後味は、やはり酸味が引き取る形で完璧なキレ。

 今の日本酒の最先端を往くような、生酒の魅力を詰め込んだような、非常に個性的かつバランスの良い甘酸旨酒でした。
 私としてはやっぱり最初の甘味に非常に惹かれますが、後味のキレが好みの方も多くいることでしょう、まさに万人向け。
 そういえば、若干味乗りしてきた感はありますが所謂熟感は皆無でしたね、これ多分数年は余裕で持つタイプの生酒でしょう。
 今まで家飲みした他の誉池月の2本と比べても、ダントツに好み!
 誉池月の実力と、喜八スペシャルの名の重みを感じた一本でした、まさに感服です…

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名称:誉池月 純米 山田錦60 あらばしり 本生 「喜八スペシャル Ver.2」
蔵元情報:池月酒造株式会社
購入価格(税抜):1,500円/720ml
購入した酒屋さん:小山商店
お気に入り度:8.6/9.0

■おまけギャラリー:小山商店さんの張り紙(ほんの一部)
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 一部では「達筆すぎて解読に時間がかかる」という評判だとか…(笑)

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2019年08月25日 島根の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

和る(waru) あらばしり特別純米 生酒

家飲み記録 和る(waru) あらばしり特別純米 生酒 

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 山口県萩市のお酒です。
 家飲み、外飲み含め初めていただきます、小山商店購入酒の4本目。

 こちらを醸す岡崎酒造場の通常銘柄は「長門峡」、そちらの方が有名ですね。
 ググってもあまり情報が出てこないので、相当数が少ない限定品なんじゃないかと想像します(蔵元ホームページにも情報は無さそう)。
 割とこういう超限定品とかプライベートブランドとかが多いのも小山商店さんの特徴なんじゃないかと思いますね、それでいて定番品もちゃんと揃えてあるところが凄い。
 
 さて今回は精米歩合60の新酒あらばしりです、いかにもフレッシュな感じですが、1月製造4月開栓なので若干生熟コンディションでいただいてます。
 スペック的に特徴的なのは、麹米に山田錦を使いつつ、掛米に山口県の酒米「西都の雫」を使っていることでしょう。
 西都の雫は山口では結構な蔵が使っている印象ですね、ググると五橋の蔵元の解説記事が出てきました、県としてかなり押してそうな印象ですね。

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 上立ち香はまだ残るフレッシュ感と砂糖菓子的な甘さが混じった香りがそこそこに。
 含むと、かなりスッキリとした印象の旨味がスルスルと入ってきて、心地よい酸と程よい渋味が寄り添うことで、最後まで自然な感じで喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、良い感じのセメダイン感と酸味を伴った引き締まった旨味が主役、渋味が若干あるのですが、全体が非常に良いバランスでまとまっていて、ひたすらスルスルと飲める印象。
 後味は、酸味が程よく引き取る形で、自然に引き上げてくれます。

 飲みごたえのある旨味と、自然な酸渋味がいい感じで溶け合う、飲み飽きない系の芳醇旨酸酒でした。。
 これは役割的には万能のお酒ですね~、食中酒としてバッチリですし、単体で飲んでもなかなか飲みごたえがあります。
 そして、杯を重ねるごとに魅力が増すタイプだと思います、ゆるゆると永遠に飲んでいきたいですねえ。
 和る長門峡も含め、また別のスペックも頂いてみたいと思いました。

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名称:和る(waru) あらばしり特別純米 生酒
蔵元情報:有限会社岡崎酒造場
購入した酒屋さん:小山商店
お気に入り度:8.3/9.0

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2019年08月23日 山口の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

直虎 番外品 純米大吟醸 生原酒

家飲み記録 直虎 番外品 純米大吟醸 生原酒

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 長野県須坂市のお酒です。
 家飲み、外飲み含め初めていただきます、小山商店購入酒三本目。

 同蔵の通常銘柄は「渓流」、そちらの方が圧倒的に有名でしょうね、確か新幹線車内の広告でよく見た覚えがあります。
 実は以前飲み会で「小山商店に強い」飲み手さんからの持ち込み酒としてこのお酒をいただいたことがあり、いつか自分でも家飲みしてみたいなあと思っていたので、今回ようやく購入できたのは嬉しいところ。
 ちなみにこの「直虎」はなんと小山商店とのコラボ商品ということで、渓流とはまた違った方向性のお酒であると思われますね。

 あまり詳細なスペックはありませんが、精米歩合は長野県特有の49%。
 製造年月1月で、開栓4月なので若干寝た状態の生酒になります。

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 上立ち香はちょっとケミカルさを纏ったりんご的な香りが強めに。
 含むと、しっかりとした甘旨味が独特のオイル的滑らかさを纏ってヌルりと入ってきて、ほんのりとした苦味を感じさせつつ、最後まで自然に喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、ほど熟な青りんご的な甘旨味が中心にあるのですが、それがヴェール越しっぽい印象なのが特徴的ですね、同じく苦味も一種柔らかく包まれている感じでなかなか独特。
 後味は、やはり苦味でガッツリ引き取る感じ。

 長野酒らしい甘旨味を独特の滑らかさで包んだ、濃厚ながらもついついスルスル飲めてしまうお酒でした。
 結構味わいの密度が高い印象ですね、甘苦がせめぎ合うのを楽しめるなら好きになれるかと。
 含み香が実に青りんご的なのもなかなか心地良くて、ありそうで無い的な個性があるように思えます。
 直虎、次はまた別スペックもいただいてみたいと思いました。

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名称:直虎 番外品 純米大吟醸 生原酒
蔵元情報:株式会社遠藤酒造場
購入価格(税抜):1,600円/720ml
購入した酒屋さん:小山商店
お気に入り度:8.4/9.0

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2019年08月21日 長野の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

登龍(とりゅう) 特別純米 せめ 「華」 磨き50 生酒

家飲み記録 登龍(とりゅう) 特別純米 せめ 「華」 磨き50 生酒

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 福島県白河市のお酒です。
 外飲み、家飲み含め初めていただきます、小山商店購入酒2本目。

 こちらは在庫僅少の四合瓶酒用っぽい冷蔵庫で見付け、購入しました。
 私のようなマニアにとっては、小山商店さんはやっぱり楽しい場所でしたね~、まだまだ知らない銘柄が有るということをストレートに実感させてくれました。
 この登龍もその一つです。
 「龍」と名の付く銘柄は多々ありますが(黒龍、白龍、龍力、睡龍、長龍、etc…)、その中でも東京では入手しにくい部類に入るのではないでしょうか。
  なお蔵元ホームページによると、同蔵は他に「白陽」という銘柄も出しているようです。
 
 スペック情報はあまり記載がないですね、精米歩合50と比較的高精白ながら、特別純米表記の生酒。
 「せめ」というのは一つのポイントでしょうね、そのためかお値段は抑えめ。

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 上立ち香は落ち着いた印象のアップルティー(?)的香りがそこそこに。
 含むと、福島酒らしいコクのある旨味が結構な渋味を伴いつつ結構押しが強い感じで入ってきて、アルコール感による独特な引き締まりを感じさせながらじわじわと染み込んできます。
 味わいは、なんとなく蜜っぽい甘味と落ち着いた渋味がせめぎ合う、飲みごたえがしっかりありながらも、ついつい自然に飲み進めてしまう感じでバランスが取れたもの。
 後味は、渋味の余韻を少々口中に残しつつ、見事にキレます。

 福島酒の魅力をしっかり凝縮したような、奥深さとバランスを見事に両立させた感じの芳醇程々熟旨酒でした。
 責めっぽい重さも若干感じるものの、荒い感じがしないのが素晴らしいですね、こうなると中取りとかも飲んでみたいなあ。
 ちなみに常温ぐらいが甘味が出てきて私は好きですね、ただ冷やしたときの引き締まった感じもなかなか素敵。
 登竜、次はまた別のスペックも飲んでみたいと思いました。

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名称:登龍(とりゅう) 特別純米 せめ 「華」 磨き50 生酒
蔵元情報:合名会社大谷忠吉本店
購入価格(税抜):1,359円/720ml
購入した酒屋さん:小山商店
お気に入り度:8.5/9.0

■お店の外観
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 流石に素敵な佇まいですよね…

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2019年08月19日 福島の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

多摩自慢 ささにごり「慶」 純米大吟醸生酒

家飲み記録 多摩自慢 ささにごり「慶」 純米大吟醸生酒

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 東京都福生市のお酒です。
 家飲み、外飲み含め初めていただきます。

 このお酒は聖蹟桜ヶ丘の地酒屋「小山酒店」さんで購入しました。
 同店は関東の地酒マニアならまあ知らない人はいないだろうというレベルの有名店ですね、通称「地酒の聖地」。
 その業績についてはとてもここでは書ききれないので興味があったら各自ググってください…、まさにレジェンド的なお店ということがわかるかと思います。
 実は私は今更の初来訪だったのですが、いやあ人気があるのもわかる素晴らしいお店でしたね、ついまとめ買いしてしまいました。

 さて、今回紹介するのは同店の割と近くにある酒蔵のお酒ですね、地元も重視しているということなのでしょう。
 限定品ながら、現在ちゃんと商品紹介ページがありました、が、あまり詳細スペックは載ってないなあ。
 精米歩合50の生酒で、「ささにごり」とといいつつにごり濃度は僅少ですね。

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 上立ち香は甘味濃厚なマスカット系果実の香りがそこそこに。
 含むと、割とにぎやかな印象の甘旨酸味がグググッと入ってきて、新酒らしい苦味が尻上がりに強まることで、結構印象はキリリとしたままじわじわと染み込んできます。
 味わいは、マスカット的な濃厚かつみずみずしい甘酸味が中心にありつつも、ちょっと苦味がキツく感じますね、ただ含み香は抑えられていて飲み疲れない感じもあります。
 後味は苦味の余韻を残しつつ、結構自然に引き上げてくれます。

 心地よくフレッシュな甘旨酸味と、かなりスパルタな苦味がせめぎ合う、実に新酒生原酒らしいお酒でした。
 最初含んだときの甘さの魅力は素晴らしいんですよね~、ただやっぱりちょっと雑味と粗さキツさが強く出ている印象。
 この甘味を保ちつつ上手く洗練する方向で進めてくれると、私としてはまさにストライクゾーンに入る予感がありますね。
 多満自慢、今後により期待を込めたいと思わせてくれた一本でした。

 次回以降、小山酒店さんでのまとめ買い酒を順次紹介していこうと思います。

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名称:多摩自慢 ささにごり「慶」 純米大吟醸生酒
蔵元情報:石川酒造株式会社
購入価格(税抜):1,450円/720ml
購入した酒屋さん:小山商店
お気に入り度:8.3/9.0

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2019年08月17日 東京の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

不老泉 山廃純米吟醸 総の舞 無濾過生原酒

家飲み記録 不老泉 山廃純米吟醸 総の舞 無濾過生原酒

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 滋賀県高島市のお酒です。
 同蔵のお酒のブログでの登場は4回目。

 2年ほど前には同蔵の「杣の天狗」という、ある意味不老泉の通常ラインから外れた速醸、新酒のお酒を紹介しています。
 が、今回は山廃、3年熟成、酵母無添加というごりごりの「不老泉らしい」スペックをセレクトしてみました、こちらは5年前に飲んだものにむしろ近い感じかと思います。
 その時の感想では「必ずしも自分の好みではない」とありますね、むべなるかなという気がします。
 表現の仕方は難しいのですが、やっぱり日本酒は「初心者向け」と「玄人向け」ってジャンルがあると思うんですよね~、不老泉は明らかに後者に入るお酒でしょう。

 裏ラベルには非常に詳しいスペック情報がありますね、色々なスペックがある銘柄なだけにこれはありがたいところ。
 酒母にのみ山田錦を使い、それ以外は千葉県の酒米「総の舞」を使っているのが面白いと思いますね、県外では珍しいと思うのですが、蔵の造りと相性が良いんでしょうか。

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 上立ち香は酸と熟と草感のある香りがそこそこに。
 含むと、やはり酸を強く感じる独特な風味を纏った味が意外にも一種軽い感じで入ってきて、少々のケミカル感も引き締まりを強めながら喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、当然のように甘味は僅少でちょい枯れ気味な熟感がありますね、紅茶というよりはちょっとクセのあるハーブティー的な風味があるようなないような(?)…、そしてその中心にあるのは力強い酸。
 後味は、やはり酸メインで力強くキレます。

 ちなみに、これは義務だろうなと思い燗をつけると…、ああこれは全然違いますね、明らかにこっちが良いです。
 甘味と旨味がいい感じに増して、独特の風味としっかりバランスがとれてきます。

 冷酒だと若干クセっぽかった風味が、燗付けでプラスの個性にいい感じに転化する、独特の熟成を感じるお酒でした。
 これは断然燗ですね~、むしろ冷酒で飲んじゃったら勿体無すぎる系のお酒でしょう。
 正直まだまだ私には早い銘柄という印象ですが、昔に比べると良さもちゃんと感じられるようになってきたと思います。
 不老泉、末永く付き合っていきたい銘柄だと思いました。

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名称:不老泉 山廃純米吟醸 総の舞 無濾過生原酒
蔵元情報:上原酒造株式会社
購入価格(税抜):1,600円ぐらい(レシート紛失…)/720ml
購入した酒屋さん:伊勢元酒店
お気に入り度:8.2(燗つけ後は8.4)/9.0

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2019年08月15日 滋賀の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

賀名生(あのう) 純米大吟醸 露葉風 直汲み無濾過生原酒

家飲み記録 賀名生(あのう) 純米大吟醸 露葉風 直汲み無濾過生原酒

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 奈良県五條市のお酒です。
 同蔵のお酒の紹介は3回目ですが、銘柄的には初登場。

 いやあ読めませんねこれは…、数ある地名由来のネーミングの中でも、屈指の難読銘柄なんじゃないでしょうか。
 こちらも日誌係さんの感想を見て購入しました…が、このお酒については「先を越された!」って思いの方が強かったりします(笑)
 同蔵は前から「五神」という銘柄を出しているのですが、今回は敢えて新規ブランドで勝負してきてるんですよね。
 気になってはいたのですが、「冷蔵庫の空きが無いなあ」とか思っていたら…う~ん敗北感が。(しかも記事掲載は半年遅れという体たらく…)
 やっぱりそういう新規有望銘柄は最初に紹介したいという欲望はあるんですよね~、日本酒ブログ書きとしての業とでも言いましょうか。
 
 スペック的には奈良県の酒米「露葉風」を50まで磨いた無濾過生原酒、しかも直汲みということで今風な雰囲気がありますね。
 製造が2018年12月、開栓2019年3月末なので、若干の生熟期間を経ています。

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 上立ち香は、凄く濃い感じのラムネとかの香りが控えめに。
 含むと、極めて高密度かつ硬度も備えた甘旨味が若干のガスを伴い力強く入ってきて、結構強めの渋味を伴うことで奥深く、かつ最後までキリリとした印象で喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、三ツ矢サイダー的な濃い甘旨味が中心にありつつ、いわゆるミネラル感と渋味がガッチリ絡みついて、全体の印象は非常にギッチリ引き締まっている感じ、
 後味も渋味を感じさせながら素晴らしいキレを魅せてくれます。

 しっかりと高密度で存在する甘旨味の魅力と、独特の硬質感を兼ね備えることで、絶妙なバランスを保つオンリーワンの酒質のお酒でした。
 あまりこういうのもなんですが、旨味自体は「当たりの風の森」って感じなんですよね、ただ渋味の強さが面白い個性と深み、そしてドンドン飲み進めてしまう感を加えてくれます。
 これは一種理想的な、食中でも単独でもイケるタイプのお酒でしょう。
 露葉風は結構クセの強い酒米という印象があるのですが、うまく使いこなしている感じなのも見事。
 正直に言ってしまうと五條酒造のお酒は今まであまり好みとは感じていなかったのですが、これはドンピシャって感じでしたね。
 賀名生、今後バッチリ注目していこうと思います。


 ああでも開栓後ガスが抜けたらちょっとダレというかクセが強くなってきたかな…
 含んだ直後は良いのですが後味にセメダイン的なケミカルさが残りますね、個人的には即飲みを推奨。

■紹介:「日本酒感想日誌」さんの同スペックの記事
http://osakasj.blog.fc2.com/blog-entry-2705.html

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名称:賀名生(あのう) 純米大吟醸 露葉風 直汲み無濾過生原酒
蔵元情報:五條酒造合名会社
購入価格(税抜):1,750円/720ml
購入した酒屋さん:うのかわ酒店(通販)
お気に入り度:8.6/9.0

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2019年08月13日 奈良の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

十八盛 「Sweet Ripple」 純米大吟醸 にごり生原酒

家飲み記録 十八盛 「Sweet Ripple」 純米大吟醸 にごり生原酒

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 岡山県倉敷市のお酒です。
 同蔵のお酒の紹介は4回目。

 いやあインパクトのある見た目ですね~、何かフェルト(?)みたいなのもくっついてて触感的にもオンリーワンのデザインになってます。
 名前も「Sweet」と付けているあたり、非常に分かりやすいと思います、選び手側からしたら「日本酒もこのくらいハッキリしていいんだようん」と言いたいところ。
 ちなみに「Ripple」は波紋とかさざ波という意味という意味なので、商品名の和約は「甘い波紋」ということになるみたいです。
 (なんかジ○ジョに出てくる技名みたいですね…、ただ個人的に「リップル」といって思い出すのは断然グラディウスですが)

 使用米は最近注目されている印象の、岡山で生まれた「朝日」、精米歩合はギリギリ純米大吟醸の50%。
 原酒ながらアルコール度数は15度と低めで、記載は有りませんが日本酒度もいかにも低そうですね。
 一見してわかる通り、おりはかなり濃い感じで入っています。

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 上立ち香はガスとお米的な香りが控えめに。
 含むと、非常に濃厚で、ガス的なインパクトのある甘旨味が力強く入ってきて、そこそこの酸味とおり由来の苦味を感じさせつつ、最後まで存在感を保ったまま、ゆっくりと染み込んできます。
 味わいは、割りと素直にお米らしい甘味を纏った、オリの濃さも相まって非常に濃厚な旨味が中心にありつつ、酸味がフルーツ感も加えている印象ですね、苦味もそこそこあるのですが旨味とちゃんとバランスが取れています。
 後味は、少々苦味の余韻を残しつつも、力強く引き上げます。

 高濃度のおりによって存在感が強められた甘旨味を、程よい酸のキレで素直に味あわせてくれる、実に今風の甘口にごり酒でした。
 いやあいいんじゃないでしょうか、自分好みの方向性ですし、苦味がそんなに気にならない甘旨味の存在感があります。
 後素晴らしいのは見た目の印象と味わいのイメージが何となく合っていることだと思いますね、こういうお酒ならこのくらい主張しても良いですよええ。
 十八盛の実力を感じた一本でした、次は未飲の「ことのわ」も飲んでみたいところです。

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名称:十八盛 「Sweet Ripple」 純米大吟醸 にごり生原酒
蔵元情報:十八盛酒造株式会社
購入価格(税抜):1,500円/720ml
購入した酒屋さん:伊勢五本店(千駄木)
お気に入り度:8.5/9.0

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2019年08月11日 岡山の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

風の森 愛山 純米大吟醸 無濾過無加水生酒 真中採り 2018BY

家飲み記録 風の森 愛山 純米大吟醸 無濾過無加水生酒 真中採り 2018BY

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 奈良県御所市のお酒です。
 連続でのご紹介ですね。

 前回飲んだお酒と使用米等は同じですが、「真中採り」という点が異なります。
 これはいわゆる「中取り」ですね、要はしぼり方の違いで、より上品な味わいが予想されます。
 風の森は大体のシリーズで限定品として出してきてますね(お値段もちょっとお高く)。
 私は「しぼり華」を買うのが遅れたので、どうせならと思い、この真中採りが出るのを待ってから同時開栓で飲み比べと洒落込んだ次第です。

 ちなみに、どうやらこの愛山純大かららしいのですが、ビンの底に風の森のロゴマークがあります(瓶自体に刻まれている感じ)。
 これって瓶の製造会社に専用瓶を直接発注してるってことですよね…、風の森の、製造過程関係でのこだわりは物凄いものがあると思います。

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 上立ち香は甘く華やかな印象のベリー系果実香が気持ち強めに。
 含むと、濃厚な甘酸旨味がトロっとした舌触りで入ってきて、ほんのりとした渋味をあくまで奥深くに感じさせつつ、最後まで柔らかい感じでじわりじわりと染み込んできます。
 味わいは、柔らかなバニラ感とベリー系の甘酸味が一体化した感じの、押し出し十分ながらトロミと落ち着きもあるような、割と玄妙なバランスを保つもので、渋味によって飲み飽きしない印象もありますね。
 後味は、渋味及びガスやアルコールの刺激が引き取って、しっかりとキレます。

 飲み応え抜群ながら、トロリとした柔らかさもある、日本酒特有の奥深い甘味の魅力をどストレートに伝えてくれるお酒でした。
 我ながら感想がわけわからないことになっていますが、矛盾するような複雑さを感じさせつつも魅力自体は非常にわかりやすいお酒だと思います。

 しぼり華と比べると、若干ガスが抜け上品さが増し、より落ち着いて柔らかくなったような印象がありますね。
 後、ちょっと熟成というか味乗りがしてきていたような…、同時開栓とはいえ、保存状態に差が有ったのかもしれません。
 どちらかというと真中採りの方が好みでしたが、それぞれに良さがありますし、値段も考えると甲乙つけがたいですね、どちらも旨い!

 非常に楽しい飲み比べでした、風の森は引き続き追っていきたいと思います。

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名称:風の森 愛山 純米大吟醸 無濾過無加水生酒 真中採り 2018BY
蔵元情報:油長酒造株式会社
購入価格(税抜):2,200円/720ml
購入した酒屋さん:伊勢元酒店
お気に入り度:8.6/9.0

■おまけギャラリー:豪華かつ満足度の高い飲み比べでした…
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2019年08月09日 奈良の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

風の森 愛山 純米大吟醸 無濾過無加水生酒 しぼり華 2018BY

家飲み記録 風の森 愛山 純米大吟醸 無濾過無加水生酒 しぼり華 2018BY

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 奈良県御所市のお酒です。
 押しも押されぬ当ブログ殿堂入り銘柄の一つ。

 このスペックは今年初登場ですね、というか、チャレンジタンクとして今年1回限りの造りのようです(どうやら、来年以降も別のチャレンジをしていく予定らしい)。
 裏ラベルには味わい等の紹介の他、酒造りのそれぞれの段階について担当者名が記載されています、杜氏(製造責任者)の名前は良く載ってますが、ここまで細かいのは珍しいですね。
 実際こういう風に名前が残るのって嬉しいんじゃないかなあと思います、造り手のモチベーションアップのためには非常に良いことなんじゃないでしょうか。
  この辺り、やはり風の森蔵元の先進性を感じましたね。(まああべの「僕たちの酒」みたいに「顔」を残すという、よりエキセントリックなやり方をしているところもありますが…)

 スペックは高価な酒米である愛山を50%まで削った無濾過生原酒という豪華なもの。
 お値段はやはり若干お高めの税抜2,000円です、6月製造を7月末開栓でいただいています。
 (ちなみに初回出荷時に買い逃したので、別の要件で行った和歌山の酒屋さんでたまたま見かけた追加出荷分を購入しました)

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 上立ち香は甘い、バニラ、ベリーって感じの香りがそこそこに。
 含むと、非常に濃厚かつ複雑さを纏った甘旨味がチリチリとした口当たりで力強く入ってきて、尻上がりで出てくる苦渋味で結構しっかり引き締まりつつ、じわじわと染み込んできます。
 味わいは、ほんの少々トロミを感じるぐらいに濃厚なベリー的な甘酸が中心、そこにガスでやはりクリームソーダ感(ベリー系)がありますね、ただ程よい苦渋味が日本酒らしい奥深さを添えている印象。
 後味は、やはり苦渋味が引き取って力強くキレる感じ。

 パンチの効いた甘酸味を素直かつ日本酒らしい奥深さで楽しませてくれる、活きのいいモダン酒でした。
 いやあやっぱり濃厚なんですが、むしろ飲み進める程に舌に馴染んでくる感じが非常に良いですね~
 値段がお高めとはいえ、レギュラー品に割って入れるぐらいの完成度はあると感じました。
 ただ、少々ケミカル感がある気もするので、それが苦手な方には合わないかも。
 次回はこのお酒と同時開栓で飲み比べた、似て非なるお酒をご紹介します。

■紹介:「日本酒ブログ:酒と魚は生がいい!」さんの同スペックの記事
http://sakepana.blog.fc2.com/blog-entry-307.html

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名称:風の森 愛山 純米大吟醸 無濾過無加水生酒 しぼり華 2018BY
蔵元情報:油長酒造株式会社
購入価格(税抜):2,000円/720ml
購入した酒屋さん:酒やの鍵本(和歌山)
お気に入り度:8.6/9.0

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2019年08月07日 奈良の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

若駒 愛山90 無加圧採り 無濾過生原酒

家飲み記録 若駒 愛山90 無加圧採り 無濾過生原酒

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 栃木県小山市のお酒です。
 ブログでの登場は2回目。

 前に飲んだ亀の尾の印象が良かったのと、昨年同スペックについての日誌係さんの高評価に背中を押されて購入しました。
 ラベルはいつも通り、馬が印象的なデザインです、愛山らしくカラーリングはピンクで、さらによくよく見ると目がハートになっています、なかなか洒落てますね。
 ちなみにこのお馬さん、夏酒ではグラサンをかけていたりとすっかりイメージキャラクター的存在になっているようです。

 スペックは裏ラベルに詳細な記載がありますね、ポイントはなんといっても90%という食用米並みの精米歩合でしょう。
 何となく愛山を使ったお酒は精米歩合が極端になることが多い気がしますね、低精白系の代表は元祖剣菱七田風の森あたりでしょうか。
 特定名称の記載は無いようですが純米です。

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 上立ち香は割とガッツリセメダインの有るスッキリした香りがそこそこに。
 含むと、しっかりと酸の効いた高密度な旨味が、しかし結構柔らかさもあるような口当たりで入ってきて、裏側にある渋味が奥深さを添えつつ、割とスルスルと喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、甘味控えめのあんず(?)的な酸を強く感じる、存在感と引き締まりを両立した旨味が主役、苦渋もそこそこあるのですが全然キツさやもったり感が無いんですよね、むしろガンガン飲めてしまう感じ。
 後味は、やはり酸が柔らかく引き取ってしっかりとキレます。

 高濃度な旨味を、これまた強力ながら柔らかさも感じさせる酸がいい感じに引き締める、個性派酸旨酒でした。
 かなり酸味は強いのですが、旨味が負けていないのが良いですね、かつ精米歩合から想像されるような雑味が皆無なのも見事。
 これまたどんな料理にも合うタイプなんじゃないかな…、そして単体で飲んでも全然イケますねえ。
 個人的にはもうちっと甘味が欲しい気がしますが、このバランスが好きな方は多いかと(いつもの台詞)
 若駒、今後も注目していこうと思います。

■紹介:「日本酒感想日誌」さんの同スペックの記事
http://osakasj.blog.fc2.com/blog-entry-2808.html

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名称:若駒 愛山90 無加圧採り 無濾過生原酒
蔵元情報:若駒酒造株式会社
購入価格(税抜):1,600円/720ml
購入した酒屋さん:伊勢五本店(千駄木)
お気に入り度:8.4/9.0

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2019年08月05日 栃木の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

北信流 純米 金紋錦 二年熟成 生酒 28BY

家飲み記録 北信流 純米 金紋錦 二年熟成 生酒 28BY

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 長野県上高井郡小布施町のお酒です。
 家飲みは初めて、ただイベントかおさけ村で飲んだことはあったような…

 こちらは初来訪の足立区五反野の「ことより酒店」さんで購入しました、ちなみに綾瀬駅から20分ほど歩いて行ったので流石に疲れましたね…
 お店のホームページを見ると一目瞭然、評判だけでなくしっかり自分の舌で銘柄をセレクトしている印象のある素敵なお店でした。
 今回はそんな中でも目を引いた蔵元二年生熟成のお酒になります、ほんのり熟成色が透ける佇まいからしてなんかオーラがありますね…
 北信流自体ほとんど売っているところを見たことが無かったので嬉しい出会いでした。

 蔵元ホームページにはこちらは載っていないようで、どうにも情報不足なのですが、ポイントは希少米「金紋錦」利用ということと、生熟ということでしょう。
 なお、製造年月が平成30年5月で、開栓したのは今年の5月なので、実際は3年近く熟成されたものだろうと思われます。

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 上立ち香は実にチョコっぽい濃厚かつ香ばしい香りが結構強めに。
 含むと、甘味控えめで結構酸を纏った熟した旨味が結構スルスルと入ってきて、熟系の渋味を伴って個性を演出しつつ、割と最後まで勢いを保ったまま喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、ガッツリ熟した感じながら老ね的なクセの無い旨味って感じですね、特に酸が生きているのがポイントで、あえて言うなら無茶苦茶濃厚なレモンティーって感じの、酸渋旨の独特なバランスを感じます。
 後味は、ほんのりと熟感と渋さの余韻を口中に残しつつ、酸が働いてガッツリキレます。

 熟成酒らしいチョコ的な香ばしい旨味を、熟成酒らしからぬ高濃度さと勢いで楽しませてくれる、オンリーワンの熟旨酒でした。
 いやあ面白いですねえ、枯れた感じではなくしっかり旨味が残っていながら、風味は凄く熟感が有るんですよ。
 個人的にはもうちょっと甘味が欲しいと思ってしまいましたが、これはハマる人はハマるタイプのお酒でしょう、間違いなく一飲の価値ありかと。
 北信流、次は通常スペックも飲んでみたいと思いました。

 そして燗をつけると…、ああこれは良いですね、酸が若干引っ込んで、濃い甘味と旨味が表に出てきました。
 個人的には断然燗ですわこれは、むしろ最初からやればよかった…

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名称:北信流 純米 金紋錦 二年熟成 生酒 28BY
蔵元情報:株式会社松葉屋本店
購入価格(税抜):1,361円/720ml
購入した酒屋さん:ことより酒店
お気に入り度:8.3/9.0

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タグ: 北信流 純米

2019年08月03日 長野の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

ヤマサン正宗 純米生原酒 白ラベル にごり

家飲み記録 ヤマサン正宗 純米生原酒 白ラベル にごり 

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 島根県出雲市のお酒です。
 ブログでの登場は2回目。

 日本酒好きの飲みスタイルには色々とあると思います、自分好みのタイプを追及したり、特定銘柄を突き詰めたり、とにかくプレミア銘柄を集めたり…
 ちなみに私は「自分の好みのお酒(特に生)を中心に、ただある程度幅広く、首都圏であまり見かけない銘柄優先で、ひたすら飲みまくる」という感じですね。
 というわけで今回はヤマサン正宗をセレクト。
 公式ホームページにしっかり載っている取り扱い店一覧(素晴らしい!)によると、現在東京では4店舗、特に地酒屋では伊勢元酒店と酒の勝鬨のみで取り扱いがあるとのことです。

 使用米は五百万石で、精米歩合は70%と低め。
 裏ラベルのスペック記載は細かくてありがたいですね。
 
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 注ぐと、おおこれはガッツリ濁ってます。

 上立ち香はガスと米が混じった感じの香りが仄かに。
 含むと、甘酸のバランスがとれた旨味が、見た目よりはスムーズな口当たりで入ってきて、一種の軽さすら感じさせる勢いでスルスルと胃の中に流れ込んできます。
 味わいは、まさにお米的な旨味が主役ながら、乳酸っぽさもあり飲むヨーグルト感もありますね、甘さも控えめながらしっかりあり、浮いた苦味等の雑味は皆無、高濃度ながらどんどん入ってしまいますね。
 後味は流石に若干粉っぽさを口中に残しつつも、酸がメインで働いて、見事にキレます。

 優しいお米の旨味と乳酸的な酸味がバランスを取りつつ、筋肉質な引き締まりもある、スイスイ系芳醇旨酸酒でした。
 これで18度ですからね…、恐ろしい、恐ろしすぎる、正直開栓直後は飲み過ぎました…
 う~ん、玉櫻同様、山陰らしいしっかり系の酒を醸せる蔵が出すにごり酒っていうのはもしかしたら鉄板ジャンルなのかしら(「笊」とか)。
 ヤマサン正宗の実力を感じさせてくれる一本でした。


 燗をつけると…、やはり甘味はそこそこですね、やはり無糖ヨーグルト的な印象。
 素直に燗適正があるといいますか、ぬる燗あたりだと実に口当たりが柔らかくなって心地よいですね。
 ただちょっと香りがケミカルかなあ、それだけ違和感。

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名称:ヤマサン正宗 純米生原酒 白ラベル にごり
蔵元情報:株式会社酒持田本店
購入価格(税抜):1360円ぐらい/720ml
購入した酒屋さん:伊勢元酒店
お気に入り度:8.5/9.0

■おまけギャラリー:とある酒の会に持ち込んだヤマサン正宗(2年生熟)

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 他のお酒も、飲み手もかなりハイレベルな会でしたが、評判が良くて非常にうれしかったです。

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2019年08月01日 島根の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

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