出雲月山 寒熟 純米吟醸 無濾過生原酒 改良雄町
本日の家飲み 出雲月山 寒熟 純米吟醸 無濾過生原酒 改良雄町
「熟成」というものは日本酒の世界においても奥深く、ある意味やっかいなものだと個人的には思っています。
確かに熟成で味が乗ってくるというのもわかるのですが、私は基本的にいわゆる熟成香というものが好きでないため、好きな銘柄でもちょっとそれが混じるとげんなりしてしまうのです。
そんな自分でも、かなり信頼を置いているのが「蔵元氷温熟成」というキーワードです。
まず蔵元さんがはっきりと狙っている時点で、酒屋さんの元での売れ残り熟成のように味が想定外に崩れることはないと想像できます。
また「氷温」これが入った場合、経験上明らかに熟成香がなくなる、またはいい感じにまろやかに抑えられる感じになると思います。
細かい理屈はわかりませんが、結果として蔵元氷温熟成に関しては私の好みから外れず、熟成された濃厚さをしっかり楽しむことができるわけです。
ただ、やはり手間と貯蔵費用がかかるため、割高になることが多いのが玉に瑕です。
さて、前置きが長くなりましたが、月山は始めていただく銘柄です。
この寒熟は無濾過生原酒を瓶貯蔵で約10ヶ月氷点下熟成したものとのこと。
やはりちょっとお高めですが、いかがなものでしょうか。
上立ち香は落ち着いた雰囲気の果実香が強めで、熟成香は感じません。
含むと、濃厚で重い感じの旨甘味がずんときます。
どちらかと言うと甘味は控えめで、非常にコクのある旨みが主役をはっています。
同時にピリピリくるような苦味(?)が舌や口の周りを刺激するような感じも。
後味はちょっとした苦渋味が引き受け、濃厚味が嘘のようにキレていきます。
個人的にはもうちょっと甘味がある方が好みですが、結構個性のある芳醇旨口を地でいくようなお酒です。
全く老ねた感じはなく、がっつり味わいが乗ってきているあたり、完成度は高いと思います。
無濾過生原酒、雄町、氷温熟成という要素から、しっかりと導き出されたような味わいと思えますね。
「蔵元氷温熟成」に外れ無しという自分の考えをより強固にしてくれました。
なお、個人的には常温の方が、旨みが素直に出てきて好きです。
名称:出雲月山 寒熟 純米吟醸 無濾過生原酒 改良雄町
製法情報:無濾過生原酒、氷温熟成
精米歩合:50%
酒米:改良雄町
アルコール度:17~18度
酵母:不明
日本酒度:+2
蔵元情報:吉田酒造株式会社(島根県安来市)
製造年月:2012/14(24BY)
購入価格(税込):1,800円/720ml
お気に入り度:7.7/10(値段も考慮に入れて)