永寶屋 辛口純米 八反錦 無濾過生原酒

本日の家飲み 永寶屋(えいほうや) 辛口純米 八反錦 無濾過生原酒

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 福島県会津若松市のお酒です。
 家飲みは初めて、外飲みはあったようななかったような…(呆)

 この永寶屋を醸す鶴乃江酒造の通常銘柄は「会津中将」。
 そして会津中将といえば今年、「SAKE COMPETITION2015」の純米大吟醸部門で、東洋美人・十四代を抑えてトップに輝いたのが記憶に新しいところです。(リンク先は私のギャザリー記事)
 ミーハーな自分としては、 そんな銘柄をまだ家飲みできていないことに耐えられず、早速こだまさんで購入させていただいた次第です。

 スペック的には、八反錦を60まで磨いた無濾過生原酒、これも一夏超えた生酒です。
 個人的には「辛口」という表記があるお酒はまたいで通る傾向があるのですが、実は今回は試飲の時点で「こりゃうめえ」と驚愕し、即決でセレクトしました。


 上立ち香は控えめに甘くスッキリとした果実香がそこそこに。
 含むと、程よく落ち着いた濃度と純度の高い甘旨味が力強く入ってきて、キツさのない辛さっぽい感触で輪郭を保ちつつ、息が長く染みこんできます。
 旨味は完熟マスカットを思わせる濃厚な甘味が主役ながら、あくまで裏方に徹した苦味と辛さがしっかりと支えて、スッキリかつ奥深い味わいの世界を創り出します。
 後味はその芳醇な味わいを最小限の辛さが引き取って見事にキレます。

 しっかりとした甘旨味と引き締まった辛さが見事に両立した、極めて完成度の高い芳醇旨甘辛酒でした。
 スッキリさがありつつ、全体的な印象は割とまろやかなんですよね…、これは本当に奥深い、一筋縄ではいかないお酒です。
 ただ、これを「辛口酒」として表示してしまうのは勿体無い気がするなあ…、下手したら凡百の淡麗辛口酒に埋もれてしまうような。
 兎も角、永寶屋と会津中将、今後注目度をググッと上げていきたいと思います。

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名称:永寶屋 辛口純米 八反錦 無濾過生原酒
精米歩合:60%
酒米:八反錦
アルコール度:16%
日本酒度:+7
蔵元情報:鶴乃江酒造
購入価格(税抜):1,400/720ml
お気に入り度:8.6/9.0

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2016年01月21日 福島の日本酒 トラックバック:0 コメント:4

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 日本酒のラベルにある甘辛の表記は、基本的に日本酒度に基づいていますからね……造ってる者の感覚でいうと+7なら、辛口に仕上げたなあ、という感じです。
 日本酒度はあくまでその酒の比重を表すものです。麹の作用で米が解けると、糖分が増えるから比重は増して日本酒度はマイナスになり、アルコール発酵が進むと比重が減るから日本酒度はプラスに切れます。発酵を進ませるほど糖分は減り、アルコール分が増えるので日本酒度はどんどんプラスになっていきます。
 吟醸・辛口ブーム以前の日本酒は、コスト削減や醪期間の短縮を目的として、日本酒度がマイナスの時点で糖類やアルコールを添加した、(ある意味未熟な)甘味の残ったものが大半だったので、逆に手間暇コスト掛けてしっかりと発酵をさせた日本酒度プラスの酒は辛口でいい酒だ、と端麗辛口ブームが起きたわけです。
 そういった経緯から、日本酒度が高い酒は辛口、とされる場合が多いのですが、飲んで感じる甘辛度合にはまた別の要素があります。
 酵母が食い残した糖の種類とか(ショ糖、ブドウ糖、あとガラクトースとか、マルトースとか、糖の種類によって甘みの感じ方は異なります)、アミノ酸由来の甘みとか。
 絶対的な甘味の量だけではなく、酸度やアミノ酸度、アルコール度によっても、味の感じ方は変わるので、カタログスペックだけで味を予想するのはなかなか難しいですね……
 裏ラベルによく書かれている、アルコール度、日本酒度、酸度、アミノ酸度などは、結局造っている人間が醪の管理のために出している便宜的な数値なので、それが消費者に分かりにくくさせているのは、たしかに問題だと思います。

2016年01月21日 sasa URL 編集

>sasa様、コメントありがとうございます。
そういえば日本酒度は高いですね。私のよく行く酒屋さんや居酒屋さんはもはや日本酒度で形式的に甘辛を語る人はほとんどいないので(-15とか極端な値は除く)。蔵元さんが未だにその認識だとしたらちょっと残念とすら思ってしまいます。
以前百貨店の売り場で、辛口~甘口のポップがついてて、「おお、ちゃんと味わいの紹介してるんだ」と思ったら、単に日本酒度を言い換えていただけで、がっくりきたこともありますね。+-0だから中口って…、プロの売り方とは思えないかと。

玉川雑酒が、しっかり発酵させたお酒の究極系みたいなものと思っていますが、個人的な好みからいうと、最近のお酒であれば発酵度合いが必ずしも完成度と連動するものでないような気もしています。結局そういう昔の判断基準で、今の日本酒が売られていることが、問題なのかもしれませんね。
ただ、個人的には、スペックを裏ラベル等に書くこと自体はむしろ良いことという認識です。わかる人はわかるでしょうし、わからない人はわからないままにしておけば良いことなので。ただ、それを売り手や蔵元が率先して、短絡的に味わいの尺度として、消費者に伝えるというのは少し危ういと個人的には思いました。
また、そもそも諸悪の根源は「辛口」という言葉が既に、味わいを示す言葉としての体をなしていないことのような気もします… ピリピリ、スッキリ、どっしり、どれも人によっては「辛口」になってしまうという、有害とすら言える概念になっているのではないかと。

2016年01月23日 まるめち URL 編集

 うーん……言い訳させて貰いますが、認識というよりも感覚だと思うんですよね。
 「これくらいまで発酵させたから、辛口だな」みたいな。このお酒の場合(飲んだことないから数値からの推測ですけど)本来それほど発酵が強くない協会十号酵母あたりをできる限り長期間低温発酵させて、日本酒度が切れるところまで切った商品じゃないのかな、と。その場合、自分の蔵の中で造っている他の酒よりは間違いなく辛口になっているはずです。
 しかし、世にある日本酒全体の中で比較してみると、辛口という表記は不適当になるかもしれません。だとしても、自分の中では切れの良い酒にしたつもりのものを、「芳醇」とかって書くのも少し抵抗が……ラベル表記はどうしてもその蔵の感覚によるものになりがちなんじゃないでしょうか。その感覚によって、初見のお客さんに素通りされてしまうかもしれない、というのはよく考えると恐ろしい事ですね。

「辛口」という表記の曖昧さは、たしかにそうだなあ、と思います。
 酒に関する知識とか、経験、感覚というものは消費者の皆さんそれぞれで異なるものなので、ラベルの表記は難しいですね。
 突き詰めて考えると「飲んでみてください」としか言えませんし。消費者に対する説明は、酒販店さん飲食店さんと協力したり、学んだりする余地が大きいと思いました。

2016年01月23日 sasa URL 編集

>sasa様、コメントありがとうございます。
なるほど…、同蔵の中での比較なら、もう少しわかるような気がしてきました。ただ、蔵の感覚でラベル表示をして、それがもし買い手の感覚とずれているなら、やはりそこは問題なんじゃないかとも思います。地元で固定ファンに売るならともかく、東京では確実に他の銘柄と並んで売られるわけですし…
個人的には、そこらへんの情報公開を徹底して消費者目線でやって、売れているのが獺祭だと思っています。批判もありますが、素人にとってあれほど「わかりやすい」銘柄は他にないかと。

まああまり味わいの主観性を強調しすぎると何も言えなくなってしまうのですが…、とにかく「辛口」というワードは現状非常に扱いが難しいですね。
(といいつつ、私も記事でかなり使ってますけど…、実はほぼ「ピリピリ」の意味で使ってます)
おっしゃる通り、最終的には消費者と直接コンタクトできる、酒販店料飲店さんの役割が非常に大きいと思います。私が接してきた皆さんは、やっぱり日本酒に対する情熱が強い方が多いですね、そういう方が少しづつでも増えていけば、望ましい形で日本酒が広がっていってくれるに違いないと感じているところです。

2016年01月25日 まるめち URL 編集












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