玉川 山廃雑酒 無濾過生原酒 26BY

本日の家飲み 玉川 山廃雑酒 無濾過生原酒

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 京都府京丹後市のお酒です。
 家飲み、外飲みともにかなりの回数をいただいています。
 
 さて、このお酒についてはまず、なぜ「雑酒」を名乗っているかについて語らないわけにはいかないでしょう。
 (長くなります、というか制限なしで書き始めたら全くまとまらず、数か月記事を寝かしてしまいました…。マイルールって大事。)

 玉川のラインナップの一つであるこの「白ラベル」は、アル添無しでありながら非常に高アルコール度を実現していることが特徴で、蔵元さん的にもある意味「発酵の限界」を目指しているシリーズらしいです。
 毎年コンスタントに20度越えしている時点で凄いのですが、26BYはなんと一部のタンクでアルコール度22度を超えたお酒ができてしまいました。
 こちらのお酒、もちろんちゃんとした日本酒の製法(蔵付き酵母を利用した山廃造り)で醸された正真正銘の「日本酒」なのですが、実は法律上では「清酒」を名乗ることができないのです。

 というのは、「清酒」の定義を定める酒税法第3条第7号に「次に掲げる酒類でアルコール分が22度未満のものをいう。」という文言がある通り、22度超えのこのお酒は「清酒」にあたらないことになります。
 いわゆる「特定名称」は前提として「清酒」でなければ名乗れないため、このお酒はアル添もしていないのに「純米」とすら名乗れません。
 さらには、造り方自体は混ぜ物なしの日本酒の造りであるため、「合成清酒」や「リキュール」などの定義にも当てはまらないのです。
 かくしてこのお酒は「いずれにも該当しない酒類」というその他枠のお酒である「雑酒」となってしまいました。

 ここらへん、アルコール度1度の違いだけで扱いがガラリと変わってしまうというのには、法の硬直性のようなものを感じます。
 ただまあ、これに関しては法に不備があるというよりは、このお酒がそれだけ規格外の代物なのだと考えるべきでしょう。
 この度数制限の理由を調べてみたところ、特殊な製法で高度数のお酒にする「鳴門鯛 霧造り」の紹介ページに少し記載がありました、どうやら当時アル添で25度ぐらいまで上げた清酒が出てきたことを、国税庁が問題視したようです。
 確かに、そういうお酒は紛い物感が漂いますね…、普通に飲んじゃうと飲み過ぎそうですし、どこかに線引きは必要なのでしょうね。

 そもそも普通の日本酒の製法では、発酵が進んでアルコール度が高くなると、そのアルコールによって酵母自体が死んでしまうので(いわゆるアルコール殺菌ですね)、加水無しで20度ぐらいが限界と言われているようです。
 ただ、20度という度数は世界の醸造酒の中では日本酒のみがたどり着けるものみたいですね、「並行複発酵」等高度な醸造技術の賜物だとか。
 そして、その限界すら超えたこのお酒…、蔵元さんの技術の高さに加えて利用している「蔵付き酵母」がよほど元気なんでしょうね。

 立法事実を飛び越してしまったともいえるお酒ですが、嫌味な意味でなく、国税庁の見解を聞いてみたい気もします、本当「まさか」という感じなんじゃないでしょうか。
 ちなみに、「雑酒」扱いだと税金が上乗せされるらしく、通常の白ラベルよりも少々値段が高いようですね。
 単純にちょっと加水すれば安くできるので、蔵元さんも少し迷ったそうですが、やはりせっかくだからと原酒での出荷に踏み切ったとのこと。
 個人的には英断だと思います、マニアなら絶対「雑酒」という言葉には反応するでしょうし、オンリーワンの個性を薄めるのはもったいない!

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 注ぐと、いい感じに色が付いていますね。

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 上立ち香はクリームのような甘い感じにアルコールが絡む独特の香りが気持ち強めに。
 含むと、とろみと酸の両方を感じる旨味が極めて力強く入ってきて、徐々に強まる酸辛に引き締めながら染みこんできます。
 旨味は、かなり強めの酸と辛さが主役ではあるのですが、意外にもアルコールのキツさは控えめ、かつ旨味の柔らかさもしっかり感じます。
 後味は酸辛を少々残しつつ、グッとキレます。

 イメージ通りの非常に力強い味わいと、意外な柔らかさを兼ね備えた芳醇旨辛酒でした。
 やっぱり純米らしいほっこり感はあるんですよね…、日本酒の奥深さをビンビンに感じさせてくれます。
 このお酒は上記の特殊性で日本酒史上に残るべき価値があると思うのですが、味わいの面でも十分個性的でも魅力的でした。
 玉川、やっぱり凄い銘柄だと思います。


 開栓後も全くヘタれませんね、これは熟成にも向きそうな予感。
 そして燗を付けると…、やっぱり辛い!でも旨い!
 ビリビリくる強烈な辛さがありつつスッキリというよりはしっかりした旨味、これは山廃純米でも感じた玉川ならではの燗上がりです。
 ただ比べるとちょっと甘さ控えめかな、恐らく糖分が食いつくされてしまった結果なのでしょうね。

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名称:玉川 山廃雑酒 無濾過生原酒 26BY
精米歩合:66%
酒米:北錦
アルコール度:22~23%
日本酒度:不明
蔵元情報:木下酒造有限会社
購入価格(税抜):1,500円/720ml
お気に入り度:8.3/9.0(燗上がりも考慮に入れて)

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タグ: 玉川 山廃 雑酒

2015年11月28日 京都の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

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