桃の里 「しろうま」 純米吟醸しぼりたて生

本日の家飲み 桃の里 「しろうま」 純米吟醸しぼりたて生

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 (いつものラベルどアップ写真を撮り忘れました…)

 岡山県赤磐市のお酒です。
 前回に引き続き、蔵元からまとめて取り寄せたお酒の1本になります。
 にごり酒特集の5本目。

 「しろうま」という名前に何となく聞き覚えがあったので、ちょっとググってみたところ、結構な数の蔵が「しろうま」と銘打ったにごり酒を出していることが分かりました。
 検索結果で見つかった菊水酒造(新潟ではなく高知)のブログによると、「「しろうま」の語源は「白くて旨い」という意味で、「どぶろく」などと並ぶにごり酒の呼び名のひとつです。」とのこと、つまりは特定商品名ではなく一般名詞ということですね。
 ちなみに「コトバンク(ニッポニカ)」によると、「どぶろく」の異名の一つとして「白馬(しろうま)」を挙げています、この辺りは厳密な定義があるというよりは慣習的な呼び名が今も残っているという感じなのでしょう。

 スペック的には、五百万石使用の精米歩合60%ということで、同じ純米吟醸でも前回のどぶろくとは異なったものになっています。
 ただ、度数は12~13度と、どぶろく同様相当低め。

 注ぐとこんな感じで、どぶろくのような粒は残っていません。
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 楽しみにしつつ栓を捻ったのですが、げ、明らかに栓が緩んでる…
 スクリューキャップなのに軽く下のリングごと外れてしまいました、こりゃ穴開きとかのレベルでなく密閉されてないですね、漏れてないのが不思議なレベル。

 上立ち香はガスとお米が混じりあったスッキリとした香りが控えめに。
 含むと、思った以上に強めのガスを伴った甘酸旨味が勢い良く入ってきたかと思うと、途端に勢いを失い若干重い感じで口中を徘徊します。
 味わいは、やっぱり個性的な甘味を感じるのですが、ガスがあるのにちょっとしつこい感じで、米が発酵したような(当たり前)クセのある旨味も感じるもの。
 後味は特にキレる要素もなく、そのまま引き上げていきます。
 
 好ましい甘旨味とガスがありながらも、爽快感が失われてしまって重さが足を引っ張る、濃淳甘口酒でした。
 うーん、こりゃダレてますね、生老ね気味かも…、瓶詰めから二ヶ月で普通こうはならないんじゃないかしら。
 穴開き栓+栓ゆるみ+低アルコール+にごり生という四要素が相まって、異様な速度でダレてしまったものと私は推測しています。
 私が好む甘さ自体は残っているので飲めるレベルではあるのですが、全体のバランスは明らかに崩れてますね。
 蔵元直送でこれはアカンでしょう、たまたまであることを願いますが、コメント等の情報を見るに、どうも「保管(品質保持)」に関して蔵の意識がちょっと低そうなんですよね…、もちろん人手や設備等の事情もあると思うのですが、ちょっとお酒が可哀想というかなんというか。
 桃の里の、酒質以外の部分にやきもきしたものを感じてしまった一本でした。

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名称:桃の里 「しろうま」 純米吟醸しぼりたて生
精米歩合:60%
使用米:五百万石
アルコール度:12~13%
日本酒度:不明
蔵元情報:赤磐酒造株式会社
購入価格(税抜):1,200円/720ml
購入した酒屋さん:赤磐酒造(蔵元直接通販)
お気に入り度:8.0/9.0(この状態でも)

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2017年04月07日 岡山の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

桃の里 「どぶろく」 純米吟醸

本日の家飲み 桃の里 「どぶろく」 純米吟醸

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 岡山県赤磐市のお酒です。
 現在当ブログでの最注目銘柄であり、登場は早くも3回目。
 にごり酒特集の4本目となります。

 「にごり酒」カテゴリを語る上では、やはり「どぶろく」の存在を避けては通れないでしょう。
 (ちなみに当ブログでは「ふき」「黒どぶ」を既に紹介しております)
 両者の定義上の違いについては、日本酒ブログ「日本酒好きのおっちゃんが何か言うとるわ」さんが詳細かつ分かりやすく取り上げていましたので、そちらもご参照ください。
 ポイントは酒造りの最後辺りで「こす(搾る)」という工程を経ていれば清酒である「にごり酒」、こしていなければ「どぶろく」になるというのが原則ということかと思います。
 が、その「こす」やり方については法律上も厳格な指定はなかったはずで、非常に目の粗いざる等でこした場合には、その両者の品質上の違いは限りなく小さくなるということかと。

 で、こちらのお酒は裏ラベルにもあるように「荒い網」で一応こしているため、いわば「どぶろく的な清酒」であるようです。
 なので特定名称の記載もありますね、通常の純米吟醸と同スペックなので、多分こし方だけ変えているのでしょう。
 どぶろくについては安全に詰めるために瓶詰め量を減らす蔵が多いなか、わざわざ大きい瓶を使って愚直に720ml詰めてますね、しかもお値段は1,200円ぽっきり。
 但し度数は12度と低めです、ちなみに穴開き栓。
 
 結構強い開栓注意がありますが、ガッチリ冷やしてから開けたら余裕で大丈夫でした。
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 ただ、注いでからちょっと目を離したら大変なことに…、まさに「生きてます」。
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 上立ち香は桃の里らしい甘い果実香に露骨に米の香りが混ざったものがそこそこに。
 含むと、やはり深みのある甘旨味が、程々のガス感と、少々の粉っぽさ、そして乳酸飲料的な濃い酸をまといつつ、ドロリと喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、いかにもどぶろく的な甘酒っぽい米の旨味と乳酸味ががっつりあるのですが、程よく落ち着いた果実の甘味を芯に感じて、やはり桃の里の個性がしっかり出ていますね。
 後味は酸を感じさせつつも、驚くほど自然に引き上げていきます。

 「どぶろくらしさ」を十分に楽しめるとともに、桃の里らしい奥深い甘旨味も感じられる、独特な魅力のあるお酒でした。
 やっぱり度数が低い分一種の「軽さ」があるのと、甘酒的な風味があまり好きじゃないことがあって、個人的には通常スペックほど好みではなかったのですが、全体の印象としては十分美味しかったですね。
 逆にこの2要素を前向きに受け入れられて、かつ甘口日本酒がお好きならかなり気に入るかと思います。
 実はもう一本桃の里のにごりを取り寄せているので、次回はそれをご紹介します。
 
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名称:桃の里 「どぶろく」 純米吟醸
精米歩合:50%
使用米:朝日
アルコール度:12%
日本酒度:不明
蔵元情報:赤磐酒造株式会社
購入価格(税抜):1,200円/720ml
購入した酒屋さん:赤磐酒造(蔵元直接通販)
お気に入り度:8.4/9.0

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2017年04月05日 岡山の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

栄光冨士 純米吟醸 無濾過生原酒 「白燿」

本日の家飲み 栄光冨士 純米吟醸 無濾過生原酒 「白燿(はくよう)」

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 山形県鶴岡市のお酒です。
 ブログでの紹介は9回目と結構な回数になってますが、最近ご無沙汰でしたね。
 にごり酒特集の2本目。

 話はそれますが皆さんは「にごり酒」にどのようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか。
 私の感覚でいうと、ちょっと前までは「濃い、甘ったるい」というイメージが支配的だったように思えます。
 が、実は最近の地酒業界ではむしろガスを利用した「スッキリ辛口にごり酒」もかなり多くなってきている印象があります(紹介済みの「ど」「どぶろっく」は完全にこっちタイプ)。
 恐らく糖添にごりに対するカウンター的な意味合いが強いものと思われますが、個人的にはやっぱり甘味が欲しいんですよね…
 「にごり」という要素が甘味を増す方向に働いているお酒を探すというのが、今回の集中飲みの主目的だったりします。

 というわけで、にごり酒集中飲み第2弾も、自分の中では甘旨味に信頼感のある銘柄をセレクトしました。
 が、よくよく見るとラベルの記載は「おりがらみ」ですね、濃度について明確な定義はないはずですが、ちょっと今回のコンセプトにはそぐわなかったかも…

 注ぐと、にごり酒というほどドロドロしていませんが、おりがらみとしてはかなり濃い濃度でした。
 
 上立ち香は柑橘果実のスッキリフレッシュな香りに、若干オリっぽさが混じったものがそこそこに。
 含むと、苦味と酸辛さをガッツリまとった旨味がグワッと入ってきて、最後までオリの苦味に締め付けられながら、じわじわと染み込んできます。
 味わいは、グループフルーツ的な苦酸の立つキリリとした旨味が主役で、そこにさらにオリが絡んで苦いままに濃厚さを増し、全体として極めて引き締まった印象。
 後味はその苦酸でギッチリとキレます。

 苦酸系柑橘果実の果汁タップリのジュースという感じの、濃厚フレッシュ酒でした。
 いわゆる「スッキリ系にごり酒」ですね、辛口というよりは苦酸味でガッチリ引き締まっているタイプ。
 うーむ、確実に需要はあると思いますが、裏ラベルで「自然な甘み」を押しているわりには甘味が物足りない…、今回私が求めるラインからは外れてしまいましたね。
 栄光冨士も結構スペックごとの味わいの差が激しいなあと感じた一本でした。

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名称:栄光冨士 純米吟醸 無濾過生原酒 「白燿」
精米歩合:60%
使用米:美山錦
アルコール度:16.8%
日本酒度:+1
蔵元情報:冨士酒造株式会社
購入価格(税抜):1,388円/720ml
購入した酒屋さん:うえも商店
お気に入り度:8.2/9.0

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2017年04月01日 山形の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

花陽浴 純米吟醸 生にごり酒

本日の家飲み 花陽浴 純米吟醸 生にごり酒

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 埼玉県羽生市のお酒です。
 言わずと知れた、当ブログの最多登場銘柄になります。

 唐突ですが、皆さんは「にごり酒」はお好きでしょうか?
 私は結構好きなイメージがあって、当ブログでも現在「にごり酒」タグがついた記事が16本にもなっています。
 が…、実はその中身は三分の一ぐらい「而今 特別純米 にごり酒生」が占めていることに最近気づきました、しかも「お気に入り度」が高いのもほとんどが而今という有り様。
 「これではいかん!」と個人的に思い、実は昨年末からかなりの数のにごり酒を意識して集中的に家飲みしております。
 自分の中では「而今にごりに並ぶ甘旨系にごり酒を探せ!」というコンセプトですね。
 当ブログは実飲から記事掲載までのタイムラグがひどいので、開き直って連載っぽくまとめて取り上げてみようと思います。

 トップバッターは而今と並ぶ鉄板銘柄の花陽浴…、なのですが、28BYについては新酒第一弾の美山錦が「らしくない」味わいだったために、若干ビクビクしつつの開栓となりました。
 ちなみに、11月出荷のものを昨年のクリスマスに開けております(実に三ヶ月前…)、なんとなくクリスマスっぽいラベルだったもので。
 このにごり酒はかなり出荷量が少ないらしく、初家飲みのために急いで確保いたしました。


 注ぐと、流石におりがらみとは違ってガッツリと白濁しています。

 上立ち香はいつもの果実香にお米とガスが強めに混じった感じの香りが気持ち強めに。
 含むと、トロトロの甘旨味が高濃度で入ってきて、僅かなガス感と、そこそこのおりの苦味でキッチリと締め上げられながら、塊のまま喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、いつものパイナップル的甘酸味が主役ながら、やはりオリが苦味と一種のまろやかさも加えていて、なかなかに複雑な世界を創り出していますね。
 後味は酸がしっかり働いて、粉っぽさを感じさせずにしっかりとキレます。

 少々苦味が強めにありつつも、花陽浴らしい甘酸もそこそこに感じる、飲み進めやすい甘旨系にごり酒でした。
 28BY、しかも美山錦利用(らしい)の純吟になりますが、通常の純吟と比べると甘味が出ていたように感じました。
 これはやはり購入から一ヶ月以上置いてから開栓したのが良かったんじゃないかな…、わりと飲み頃であったような。
 にごり酒集中飲みについて、好スタートを切らせてくれた一本でした。

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紹介:「20代から始める日本酒生活」さんの同スペックの記事
http://sakepana.blog.fc2.com/blog-entry-6.html

名称:花陽浴 純米吟醸 生にごり酒
精米歩合:55%
使用米:美山錦
アルコール度:16%
日本酒度:不明
蔵元情報:南陽醸造株式会社
購入価格(税抜):1,500円/720ml
購入した酒屋さん:矢島酒店
お気に入り度:8.5/9.0

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2017年03月30日 埼玉の日本酒 トラックバック:0 コメント:4

井の頭 純米吟醸 袋取り無ろ過生しずく 27BY(生熟バージョン)

本日の家飲み 井の頭 純米吟醸 袋取り無ろ過生しずく 27BY(生熟バージョン)

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 長野県伊那市のお酒です。
 当ブログイチオシ銘柄の一つ。

 こちらのお酒は、前回紹介したものと全く同じスペックで、蔵元でさらに半年の熟成期間を経て出荷されたものになります。
 裏ラベルには製造年月と蔵出年月が明記されているため、比較してもらうと一目瞭然です、やはりこの表記はわかりやすい!
 前回も「うえも商店」さんで購入したのですが、今回のお酒は店長さん曰く「150点評価の酒」、ということでしたので、居ても立っても居られずに購入に走った次第です。

 当ブログの読者様なら自明のことかと思われますが、私が同スペックのお酒を一年に二本飲むというのは異常事態です。
 井の頭については、組合直営の「信州おさけ村」以外では、現状都内では「うえも商店」さん、「大阪屋酒店」さんが特約店だったかと思いますが、私からしたらまだまだ「もっと評価されるべき」銘柄という認識があります。
 いやあ東京の地酒屋さんにはもうちょっとしっかりアンテナを立ててほしいところですね(超上から目線)。

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 注ぐと、程よく色づいている印象。

 上立ち香は、熟感はあるものの、甘さも感じる完熟果実的な香りがそこそこに。
 含むと、角が全くない濃厚な甘旨味がトロリと入ってきて、最後までその甘さを保ったままにじわじわと染み込んできます。
 味わいは、やはりリンゴか梨を煮詰めたような完熟果実の甘味が厳然たる主役を演じます、酸は控えめで苦渋も丸い感じと、兎にも角にも素直に甘旨を楽しませてくれますが、ダレは感じませんでした。
 後味は本当に最小限の苦味の影を想起させつつ、自然に引き上げていきます。

 これぞ生熟の真骨頂!といった感じの、元々の芳醇な旨味に、丸みと味乗りがしっかり素直に魅力を上乗せした、極めて旨いお酒でした。
 前回と比べると単純に角が取れた感じですね…、前回の時点で相当旨かったので、今回はそれ以上の評価になります。
 これは店長さんの評価にも納得です、そもそもこういう素直に落ち着いた生熟酒って意外と貴重なんですよね、その上でこの完成度ならそりゃ惚れ込みますよ。
 井の頭、今後もがっつり注目していきたいと思いました。

 開栓後は若干苦味が出てきたかなとも思ったのですが、燗をつけるとあら不思議、旨味が濃くなって苦味が打ち消される感じ。
 これはばっちりな燗上がりですね、やはりしっかり造った生熟酒を燗すると独特の魅力を感じられると思います。
 まだまだ根付いているように思われる「生酒は燗に向いてない」みたいな固定観念は、早めにアップデートして欲しいところです。

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紹介:「日本酒感想日誌」さんの同スペックの記事
http://osakasj.blog.fc2.com/blog-entry-1576.html

名称:井の頭 純米吟醸 袋取り無ろ過生しずく 27BY(生熟バージョン)
精米歩合:55%
使用米:美山錦
アルコール度:15%
日本酒度:+2
蔵元情報:漆戸醸造株式会社
購入価格(税抜):1,600円/720ml
購入した酒屋さん:うえも商店
お気に入り度:8.8/9.0(燗上がりも考慮に入れて)

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2017年03月26日 長野の日本酒 トラックバック:0 コメント:4

満寿泉 純米吟醸 無濾過生原酒 おりがらみ

本日の家飲み 満寿泉(ますいずみ) 純米吟醸 無濾過生原酒 おりがらみ

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 富山県富山市のお酒です。
 外飲みでは相当回数いただいている印象がありますが、ブログでの紹介は意外にもまだ2回目。

 こちらを醸す桝田酒造店については、蔵元ホームページの「生立ち」コーナーに来歴の紹介がありました
 その中で印象的なのが「能登四天王」に数えられる名杜氏「三盃幸一」氏に関する記述でした。
 私の生まれるずっと前から酒造りを続けているという時点で「凄い」としか思いようがないのですが、「三盃総杜氏は18歳でこの道に入って以来、 一度も正月を郷里で過ごした事がない。父も親類も杜氏というエリート杜氏の家系、父の後を受け満寿泉の杜氏になった。」みたいな記載に至っては想像を絶する世界です。
 イメージ的には伝統工芸とか伝統芸能を引き継いでいく一族に重なるものがありますね、翻って、そういう伝統と最新工業技術が交錯する日本酒業界のダイナミックさを、私としては改めて想起しました。

 閑話休題、今回いただくのは季節限定品であるおりがらみ生、一升瓶しかないので迷ったのですが、以前紹介した「月中天」と同様に購入先である酒逢さんの店長さんオススメだったので買ってしまいました。
 ラベルにあまりスペック面の記載はありませんが、製造年月と蔵出年月の両方が書いてあるのは流石満寿泉という感じですね、熟成期間に対する意識の高さがうかがえます。
 今回は両方とも1月ということで、搾ってすぐに出荷ということが一目瞭然、やっぱり素晴らしいですよこの表記。

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 上立ち香はフレッシュさのある、露骨にお米っぽい麹の香りが気持ち強めに。
 含むと、強めの酸味でキリリとした旨味が、しかし自然な口当たりで入ってきて、最後まで甘味と酸味のバランスを保ちつつ喉奥に流れ込んできます。
 味わいはグレープフルーツのグラニュー糖がけのごとく、酸味が中心ながら旨味もしっかり感じるキリリかつ濃厚なもの。
 後味は苦味が表に出てきて、キッチリとキレます。

 万人に勧められるタイプの、旨味の存在感とスッキリ感を両立させつつクセのない、完成度の高いフレッシュ甘酸酒でした。
 人を選ばないと思いますし、単体でも食中酒でもイケそうな、シチュエーション的な万能性も備えている印象。
 いやあ流石ですね、
 ちなみに上澄みを飲んでみると、若干酸がキツく思えたので、これはオリでまろやかを加えている感じだと思われます、この辺りの調整も見事。
 満寿泉は伝統に寄り掛からずに色々新しい試みのお酒も出しているので、今後より注目していきたいと思います。

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名称:満寿泉 純米吟醸 無濾過生原酒 おりがらみ
精米歩合:58%
使用米:不明
アルコール度:17%
日本酒度:不明
蔵元情報:株式会社桝田酒造店
購入価格(税抜):3,000円/1,800ml
購入した酒屋さん:酒逢(金町)
お気に入り度:8.4/9.0

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2017年03月20日 富山の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

五十嵐 純米吟醸直汲み 無濾過生原酒

本日の家飲み 五十嵐 純米吟醸直汲み 無濾過生原酒

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 埼玉県飯能市のお酒です。
 ブログでの紹介は三回目ですね。

 前回前々回と、一升瓶で購入していた五十嵐ですが、今回は四合瓶になります。
 五十嵐はいわばチャレンジブランドということで、最初は一升瓶だけだったのですが、恐らく売れ行きが安定したんでしょうね、最近ようやく四合瓶も出してくるようになりました。
 が、個人的にはこのやり方、非常に不合理に感じます、個人の買い手からしたら味わいが予想できない新規銘柄こそ「まず小瓶で」買いたいと思うのが自然なんじゃないでしょうか。
 直汲み無濾過生原酒みたいな冷蔵必須のお酒を一升瓶限定で売るなんて所業は、冷蔵スペースに限りのある個人客を完全に無視しているものであると個人的には前から思ってますし…
 勿論設備の問題とか、まず飲食店重視とか、色々と売り手側の事情はあると思うのですが…、日本酒業界のこの一升瓶に対する旧態依然の感覚は消費者感覚からはやはりズレていると、繰り返し主張したいと思います。
 (まあ新政や笊籬採りみたいに全て四合瓶出荷になっちゃうとそれはそれで面倒な部分もあるんですけどね。要は買い手に選択肢を与えることが重要なんじゃないかと)
 
 閑話休題、今回いただくスペックは恐らく前回いただいたものと同じものですね、使用米等は明記されて無いので変わっているかもしれませんが。
 最近ラベルの色を変えた米違いとかも出てきていてそれも気になったのですが、今回はなんとなく安定のレギュラースペックをセレクトしました。


 上立ち香は洋梨系(?)のフレッシュフルーティーな香りがそこそこに。
 含むと、高濃度かつ割りと引き締まった印象の甘旨味がググっと入ってきて、少々のガスでチリチリとしながら、酸味と苦渋も感じさせつつ、最後まで濃度を保って染み込んできます。
 味わいは、フレッシュフルーティーな甘旨味が芯にありつつ、全体としては五味がそれぞれしっかりと主張して、インパクトがありながら飲み飽きない複雑な旨味の世界を創り出していますね。
 後味は、苦味がガッチリと引き取って力強くキレます。

 いかにも無濾過生原酒直汲みといった印象の、にぎやかながらギリギリのところでしっかりまとまっている、飲み応えのあるお酒でした。
 新酒らしい荒さもあるのですが、旨味に個性があり、ガス感も含め、私のストライクゾーンであるため、飲んでて楽しいです。
 一杯目は苦味が強めかな…と思ったのですが、飲み進めると中々どうしてこれはこれでクセになるものがありますね。
 やっぱり私はこの「五十嵐味」好きだなあ…
 五十嵐、今後は色々なスペックを試していきたいと思いました。

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名称:五十嵐 純米吟醸直汲み 無濾過生原酒
精米歩合:55%
使用米:不明
アルコール度:17%
日本酒度:不明
蔵元情報:五十嵐酒造株式会社
購入価格(税抜):1,500円/720ml
購入した酒屋さん:うえも商店
お気に入り度:8.5/9.0

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2017年03月14日 埼玉の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

雄東正宗 純米吟醸 五百万石 あらばしり 生酒

本日の家飲み 雄東正宗 純米吟醸 五百万石 あらばしり 生酒

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 栃木県小山市のお酒です。
 外飲み経験は確かイベントであった気がします、家飲みについては後述。

 こちらを醸す杉田酒造さんのお酒としては、「鴎樹(おうじゅ)」を既に紹介しています
 蔵名で検索すると、手作り感あふれるホームページが出てきまして、「当蔵について」コーナーに各種ブランドの紹介も一応書いてありました。
 それによると、「当初は「優等正宗」でしたが関東信越国税局鑑評会で連続優秀賞を受賞し当時の税務署長より「関東の雄となれ」と。」言われ、それに応じて漢字を変えたのがネーミング由来のようです。
 それにしても、サイト自体の更新はすっかり止まっているようですし、地方蔵のご多分に漏れず情報発信は上手くない印象を受けますね。
 
 スペック的には五百万石の55磨きの新酒生酒。
 お店では「あらばしり」ではないスペックも隣に並んでいたのですが、時期的により新酒っぽい勢いのあるお酒が飲みたい気分だったので、こちらをセレクトしました。

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 上立ち香はセメダインとガス混じりの、フレッシュ果実の香りがそこそこに。
 含むと、やはりフレッシュでインパクトのある旨味が勢い良く入ってきて、一拍おいて出て来るこれまた新酒らしい強めの苦味にギッチリと締め上げられながら、ドドドと喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、やはりセメダインを伴う荒々しくもみずみずしい果実の甘酸味と、オリも相まって存在感のある青い苦味がせめぎ合い、「ザ・新酒」といった感じの楽しさを感じさせてくれます。
 後味はその苦味と酸味がキッチリと引き取って、見事にキレます。

 何というか存在感が非常に強い、新酒の楽しさを直球で伝えてくれるキリっとしたお酒でした。
 上で「荒々しい」と書きましたが、いい意味も悪い意味でもあります、が、だからといってバランスが崩れている感じはありません。
 いやあこれは万能の食中酒としても使えるタイプのお酒ですね、油っぽいものでもキッチリと引き上げてくれそうです。
 鴎樹、雄東正宗と来たので、次は発光路強力をいただこうかな…、兎も角、杉田酒造さんのお酒は今後も注目したいと思います。

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名称:雄東正宗 純米吟醸 五百万石 あらばしり 生酒
精米歩合:55%
使用米:五百万石
アルコール度:17%
日本酒度:不明
蔵元情報:杉田酒造株式会社
購入価格(税抜):1,343円/720ml
購入した酒屋さん:うえも商店
お気に入り度:8.3/9.0

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2017年03月12日 栃木の日本酒 トラックバック:0 コメント:2

阿部勘 純米吟醸 かすみ うすにごり生酒

本日の家飲み 阿部勘(あべかん) 純米吟醸 かすみ うすにごり生酒

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 宮城県塩竈市のお酒です。
 外では何度かいただいていますが、家飲みは初めてですね。

 初登場銘柄ということで記事ネタ探しに銘柄名でググってみたところ、ネットによる日本酒販売で有名な「佐野屋」の酒屋巡り記事が出てきました。
 その記事の中で個人的に気になったのが「自動圧搾機」の部品を「アルミ板+ゴム」から「プラスチック+シリコン」に変えるだけで、ゴム臭や金属臭などのエグ味が消えて劇的に酒が綺麗になるという旨の記述でした。
 山間の記事でちょっと触れた様に、「直詰」「生酒」においてはゴム臭が致命的になる場合もあることを考えると、この記述には説得力があると感じますね。
 「手造り」ということを強調されがちな地酒業界ですが、最近は精米・洗米段階での技術革新も進んでいるようですし、それによる酒質の上昇は素直に喜ぶべきだと、個人的には思います。
 設備投資に踏み切るという造り手の「覚悟」も、評価や敬意に値すると思いますしね(究極は旭酒造かと)。

 閑話休題、今回いただくお酒もその新しい圧搾機で搾られたであろう、新酒のうすにごり生酒になります。
 精米歩合は55、にごり具合はまさに「かすみ」といった風情の、ほどほどの濃度です。
 

 上立ち香は若干セメダインが混じるフレッシュ果実の香りが仄かに。
 含むと、しっかりと甘味が乗った濃厚な旨味が勢い良く入ってきて、時間差で強まる苦味と酸味にぎっちりと締め上げられつつ、喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、甘酸フレッシュな新酒らしい柑橘系果実の旨味が主役、含んだ一瞬は凄く甘い印象があるのですが、すぐに苦酸がやってきて全体としてはキリリとした感じが強いですね。
 後味は濃厚さをその苦酸が引き取って、ガッツリキレます。

 濃厚な果実の甘味と新酒らしい苦味が拮抗して、独特の味わいのバランスを演出する、個性派芳醇フレッシュ酒でした。
 いやあ、甘味は本当に私のどストライクゾーンですね、後は苦味がもうちっと控えめだったらなあ…
 開栓後置くとか、温度を変えるとか、飲み方でもう少しカバーできそうな予感もするのですが、実際はなかなか難しいですね。
 ともかく、阿部勘はまた別のスペックもいただいてみたいと思いました。

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名称:阿部勘 純米吟醸 かすみ うすにごり生酒
精米歩合:55%
使用米:不明
アルコール度:16%
日本酒度:不明
蔵元情報:阿部勘酒造店
購入価格(税抜):1,619円/720ml
購入した酒屋さん:鈴傳
お気に入り度:8.3/9.0

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2017年03月06日 宮城の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

羽根屋 純米吟醸 煌火 生原酒 28BY

本日の家飲み 羽根屋 純米吟醸 煌火 生原酒 28BY

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 富山県富山市のお酒です。
 ブログ登場は2回目ですね、外飲みでも何度かいただいた記憶があります。

 当ブログの読者様にはもう周知のことかと思いますが、私の日本酒嗜好は完全に芳醇甘口に振れています。
 そしてその立場からは、世間的評価が高くとも、どうにも相性が良くないタイプのお酒が何系統かあったりします。
 まあ「淡麗辛口」がその最たるものなのですが、いわゆる「食中酒として一歩下がったようなお酒」とか、「あまりにバランスが良すぎてとんがりが無いお酒」みたいなものにも実は苦手意識があるのです。
 「静岡吟醸系」なんかが典型で、具体的な銘柄で言ってしまうと「伯楽星」そしてこの「羽根屋」にはそのイメージが強かったりします。

 当然、「じゃあ何で買うのよ」というツッコミがあるとは思いますが、やっぱりたまにそういうお酒を買うことで自分の好みの状況を確認できますし、たまには違った系統のお酒を飲むのも楽しいんですよね。
 今回セレクトしたのは前回(24BY)と同じく「煌火(きらび)」と銘打たれた生原酒。
 羽根屋の中では自分向けのスペックだろうと選んだのですが、どうせなら違うものにした方が面白かったかも…、少々反省。

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 上立ち香は典型的な、フレッシュリンゴの香りが気持ち強めに。
 含むと、ほどほどの濃度のフレッシュな旨味がスルスルと入ってきて、青い苦味で引き締まりを維持しつつ、最後まで勢い良く喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、典型的ながらもバランスの取れたフレッシュリンゴの甘酸苦からなる旨味が主役で、ある程度の透明感と雑味の無さがやはり特長ですね。
 後味もキツくない苦味が引き取ってお手本のようにキレます。

 甘酸苦がそれぞれ主張しつつも、濃度がほどほどかつバランスが良いために、スイスイといけてしまう軽さも持った万能酒でした。
 すっきり系のしぼりたて生酒として、良くも悪くも一定の枠をはみ出さないという意味での完成度を感じるお酒です。
 前述の通り私には物足りないのですが、この路線を好む方は多いでしょう。
 また、以前から方向性がブレていないことも、蔵の実力を感じさせるポイントだと思います。(ただ、24BYよりは味が出ていたかも)
 羽根屋、一つの指標として今後もたまには飲んでいきたい銘柄です。

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(紹介)日本酒ブログ(由紀の酒)さんの同スペックの記事
http://www.sakeblog.info/haneya-junmaiginjo-kirabi-28by/

名称:羽根屋 純米吟醸 煌火 生原酒 28BY
精米歩合:60%
使用米:不明
アルコール度:16%
日本酒度:不明
蔵元情報:富美菊酒造株式会社
購入価格(税抜):1,450円/720ml
購入した酒屋さん:矢島酒店
お気に入り度:8.2/9.0

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2017年02月26日 富山の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

三重錦 純米吟醸 おりがらみ 中取り生

本日の家飲み 三重錦 純米吟醸 おりがらみ 中取り生

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 三重県伊賀市のお酒です。
 ブログ登場は二回目になりますね。

 今回のスペックは山田錦利用の純米吟醸スペックということで、前回いただいた雄山錦の純米とはかなりの差があります。
 が、おりがらみ(うすにごり)という点は同じですし、何より両方とも11月出荷なのに前BYのお酒という点が特徴的といえるでしょう。
 新酒の時期に、ある程度蔵元で寝かせたおりがらみのお酒を出してくるということ自体に、蔵の差別化戦略的な思惑を感じるのは私だけでしょうか(まあ露骨にマニア目線ですが)

 裏ラベルをみると、精米歩合がやけに細かく書かれているのが印象的ですね、酒母米が書いてあるのは珍しいかと。
 掛米が山田錦・八反錦と、米が違う上に精米歩合まで異なるのはさらに珍しいような…、仕込みの段階で細かく分けて発酵を制御しているのでしょうか、素人には分からないレベルです。

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 上立ち香はスッキリフレッシュながら濃厚な印象の、ガス混じりのお米的香りがそこそこに。
 含むと、青さの残る旨味がオリの苦味を伴いつつも自然に入ってきて、最後まで濃厚さと引き締まりを維持したまま、喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、セメダイン的で甘さ控えめながらあまりキツさのない、キレとまろやかさを両立した旨味が主役、オリはその濃度を増すことと引き締まりの維持の両方に寄与している印象ですね。
 後味は苦味が引き取って、自然にキレます。
 
 熟成期間を経て、うまいことキツさが取れたんだろうなあと想像させてくれる、ほどよい味乗りのバランス系旨苦酒でした。
 自然にスイスイ飲めるのですが、個人的にはもう一歩、個性やインパクトが欲しいという気もします。
 といいつつ、派手さは無くてもしっかりと旨味を噛みしめられるお酒って需要は確実にあると思うので、恐らくはこれが狙った酒質なのでしょうね。
 三重錦、また別のスペックもいただいてみたいと思いました。

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(紹介)「もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録」さんの同スペックの記事
http://moukan1972.blog.fc2.com/blog-entry-263.html

名称:三重錦 純米吟醸 おりがらみ 中取り生
精米歩合:裏ラベル写真参照
使用米:裏ラベル写真参照
アルコール度:16%
日本酒度:不明
蔵元情報:中井仁平酒造場
購入価格(税抜):1,550円/720ml
購入した酒屋さん:矢島酒店
お気に入り度:8.3/9.0

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2017年02月22日 三重の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

花陽浴 純米吟醸 美山錦 28BY

本日の家飲み 花陽浴 純米吟醸 美山錦 28BY

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 埼玉県羽生市のお酒です。
 言わずと知れた、当ブログの最多登場銘柄。

 今期(28BY)の花陽浴については、正月酒として八反錦おりがらみを既にご紹介しています。
 が、実際は12月の時点で先にこちらのお酒を飲んでいました、まあ例年初っ端に出てくるスペックですし、いつものように飛びついたわけです。

 しかし、先に言ってしまいますと、その味わいは例年の花陽浴とは明らかに異なったものでした…、ここまで「同スペックの前年との違い」を感じたのはあまりなく、これは非常に戸惑いますね。
 お米の品質等によってたまたま今期の出来が違ったのか、はたまた路線を切り替えたのか…
 このあたり各商品にわりとブレないコンセプトがある大手酒と違って、小規模蔵の商品には、ブレなのか模索の結果なのか分からない変化はありがちではありますね、まあそれが楽しいところでもあるのですが。

 スペック自体は恐らく例年通りで、美山錦55磨きの袋吊り無濾過生原酒。

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 上立ち香はいつもの、強烈なトロピカルフルーツ香がかなり強めに。
 含むと、酸渋甘が拮抗したフレッシュな旨味が勢い良く入ってきて、ダイナミックにバランスを保ちつつ、最後まで勢いを保ったまま摩擦少なめで喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、南国果実フレッシュな甘酸を華やかに感じさせてくれるいつもの花陽浴路線の旨さを感じますが、若干甘味と濃度が控えめなような。
 後味は強めの酸味を余韻に残しつつ、キッチリとキレます。

 新酒らしいフレッシュさと酸味の効いた、旨味を素直に楽しませてくれる、バランスの良い甘酸酒でした。
 渋味も少々あって、割りと食中酒としての適性もある、飲み飽きない系の甘口酒になっている気がします。
 が、うーん、私には甘味が足りない、そして薄い…、花陽浴でなければそうは感じないと思うので難しいところですが、やっぱり花陽浴は他の銘柄を圧倒する個性的かつ濃厚な甘味があってこそだと個人的には思っているので、この方向性はちょっと辛いところです。
 花陽浴の28BYに若干の不安を感じてしまった一本でした。

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名称:花陽浴 純米吟醸 美山錦 28BY
精米歩合:55%
使用米:美山錦
アルコール度:16%
日本酒度:不明
蔵元情報:南陽醸造株式会社
購入価格(税抜):1,435円/720ml
購入した酒屋さん:矢島酒店
お気に入り度:8.3/9.0

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2017年02月20日 埼玉の日本酒 トラックバック:0 コメント:2

上亀元 純米吟醸 生 26BY

本日の家飲み 上亀元(じょうきげん) 純米吟醸 生 26BY

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 山形県酒田市のお酒です。
 ブログ登場は初めてですね、外で何度も飲んでいる「上喜元」の方も意外にも未登場でした。

 さて、こちらのお酒はかの有名な復活米である「亀の尾」を用いた、「上喜元」銘柄の特別品…というか限定ブランドです。
 もともとの銘柄名が「上機嫌」とかけていることからか、この蔵元は言葉遊びが好きなイメージがありますね、発泡日本酒に「酒和地(しゅわっち)」なんて付けてしまうのがその最たるものでしょう。
 ただ、今まで外で飲んできた同蔵のお酒はそういうイメージとは対照的に、全体的に引き締まった正統派の男酒が多かったような気がします。

 今回は、そもそも珍しい「上亀元」の、約2年間生熟バージョンという初めて見るスペックがお店の冷蔵庫に並んでいたため、衝動的にチョイスしてみました。
 精米歩合は55、亀の尾利用の2年熟成でこのお値段は良心的でしょう。
 (というか、ラベルを見るに恐らく通常品の一部を蔵元熟成させたパターンっぽいですね。この場合はお得な値付けになることが多いので、狙い目といえるでしょう)

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 上立香はとても落ち着いたお米っぽい香りが仄かに。
 含むと、程々に熟成感のある芳醇な旨味が力強く入ってきて、徐々に出てくる苦味と辛さでギリギリと締め上げられながら、じわじわと染みこんできます。
 旨味は、穀物系の旨味が主役かつ甘味は控えめ、個性的なのはやはり苦味ですね、ただそれは熟成によっていい感じで丸くなった印象があります。
 後味はその苦味を舌先に残しつつ、見事にキレます。

 実に奥深い味わいの、いぶし銀的な円熟味を感じる芳醇辛口酒でした。
 個性的な苦味はやはり亀の尾由来のものなのでしょうか…、正直あまり亀の尾のお酒を飲んだ経験は多くないのですが、わりと苦渋味に特徴があった印象があります(甘味に特徴のある愛山と対照的ですね)。
 恐らく新酒だとちょっとキツさがあったんじゃないかなあ…、まだまだ熟成できそうなポテンシャルも感じました。
 上喜元は引き続き注目していきたいと思います。

 燗を付けると、辛さは増す感じですが、苦味が柔らかくなってやはり良いですね。
 ちなみに開栓後伸びるタイプです、晩酌使いにしてじっくりゆっくり楽しむのに向いているお酒でしょう。

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名称:上亀元 純米吟醸 生 26BY
精米歩合:55%
使用米:亀の尾
アルコール度:17%
日本酒度:不明
蔵元情報:酒田酒造株式会社
購入価格(税抜):3,150円/1,800ml
購入した酒屋さん:矢島酒店
お気に入り度:8.3/9.0

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2017年02月18日 山形の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

一代弥山 純米吟醸 おりがらみ 生酒

本日の家飲み 一代弥山(いちだいみせん) 純米吟醸 おりがらみ 生酒

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 広島県廿日市市のお酒です。
 家飲みは初めて、外飲み経験も確か無かったような…(呆)

 こちらを醸す中国醸造のホームページを見ると、焼酎・リキュール・ウイスキー等色々手広くやっている酒造会社であることがわかりますね。
 中でも「カープ応援酒」なるコーナーがあり、赤い特別ラベルの色々なお酒を売り出しているあたりは目を引きます、お国柄といいますか…
 個人的にこういう地場の大手酒造の限定品は中々高品質なものが多いと思っていること、東京の居酒屋等で若干見かけることが増えてきた(気がする)ことから、今回この一代弥山をセレクトしてみました。

 こういうお酒にしては珍しく、ホームページに商品紹介がちゃんと記載されています
 この当たり前のことができない蔵(大手でも)が多いことを考えると、非常に好感が持てますね(まあ、特約店一覧が無いのはちょっと残念ですが)。
 スペックは、広島県産八反錦利用で、精米歩合60のおりがらみ生原酒という新酒らしいもの。

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 上立ち香は典型的なフレッシュ柑橘系果実の香りがそこそこに。
 含むと、キリリとした印象の旨味がスルスルと入ってきて、果実系の酸で最後まで引き締まったまま、勢い良く喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、香りの印象通りの酸の効いたフレッシュな果実的旨味が純然たる主役、全体的な印象は非常にキリっとしてますね、ほんのり苦味もあり、いわゆる飲み飽きないタイプ。
 後味はやはりその酸が引き取って、見事なまでにキレます。

 甘味が裏方に回った、新酒のフレッシュさを素直に楽しませてくれる非常にキレの良いお酒でした。
 個人的にはこういう酸の効いたお酒こそ万能の食中酒だと思うんですよね、魚系にしか合わない淡麗辛口酒と違って油ものや肉系の濃い味料理とも合いますし。
 私は完全に「お酒単体で楽しめる」ということに重きを置いているため(恐らく少数派)、若干好みのラインからは外れるのですが、こういうお酒を求めている方は多いことでしょう。
 一代弥山、次はまた別のスペックもいただいてみたいと思いました。

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(紹介)「日本酒感想日誌」さんの同スペックの記事
http://osakasj.blog.fc2.com/blog-entry-1536.html

名称:一代弥山 純米吟醸 おりがらみ 生酒
精米歩合:60%
使用米:八反錦
アルコール度:16~17%
日本酒度:不明
蔵元情報:中国醸造株式会社
購入価格(税抜):1,313円/720ml
購入した酒屋さん:矢島酒店
お気に入り度:8.2/9.0

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2017年02月16日 広島の日本酒 トラックバック:0 コメント:4

田酒 純米吟醸 山廃

本日の家飲み 田酒 純米吟醸 山廃

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 青森県青森市のお酒です。
 ブログでの紹介は7本目となりました、何だかんだで結構飲んでますね。

 田酒はここ数年で色々な新スペックを出し始めていることはマニア間には周知の事実でしょう、私も白田酒雄町純米吟醸を既にいただいています。
 それに対する今の私のスタンスとしては、「ちょうど入手機会があって、気が向いたら買う」というぐらいの熱量だったりします(ただ、うちの母君が田酒好きなので、そのために購入することも多し)。
 今回いただく山廃純米吟醸もその流れの一つですね、丁度特約店への入荷時期に他のお酒を買う用事があり、その時に在庫を聞いたら出してくれました。

 スペック的には、精米歩合50と純米大吟醸を名乗れるレベルまで削っています、使用米は記載ありませんがググるとどうやら華吹雪みたいです。
 レギュラー商品である特別純米の山廃は華吹雪55なので、それだけ見ると大して変わらないようにも見えますね。
 が、こちらは日本酒度も-3程度で、かつ一回火入れと、それ以外の部分ではかなり差別化して造っているような雰囲気も感じますね、ラベルのカラーリングも今風に見えますし。


 上立ち香は柑橘系果実のフレッシュな香りがそこそこに。
 含むと、落ち着いた甘旨酸が自然な口当たりで入ってきて、最後までバランスを保ったままじわじわと染み込んできます。
 味わいはやはり柑橘果実系の酸の効いた甘旨味が主役、苦渋はあまり感じませんが、酸の働きで味わいの濃さの割には軽快な印象です。
 後味はそのまま酸味が引き取って自然にキレます。

 今風のフルーティーな甘旨味を、程よく落ち着いて感じで、バランス良く楽しませてくれるお酒でした。
 母君様曰く、「田酒らしさは無いけど美味しい」とのこと、まあほぼ同感です。
 28BYはどうするのかな…、この方向で洗練させればかなりの旨酒になるとは思いますが、田酒ブランドでやる意味は微妙かも。
 ともかく、田酒のチャレンジ酒は今後も生暖かく見守っていこうと思いました。

 燗を付けると…、げ、香りが薬臭い感じでちょっとキツいですね。
 味わいも若干チグハグというか、バラバラな印象もあります、これは完全に冷酒向けかと…。

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紹介:「もう肝臓の無駄使いはしたくない夫婦の日本酒備忘録」さんの同スペックの記事
http://moukan1972.blog.fc2.com/blog-entry-519.html

名称:田酒 純米吟醸 山廃
精米歩合:50%
酒米:華吹雪
アルコール度:16度
日本酒度:-3
蔵元情報:株式会社西田酒造店
購入価格(税抜):1,648円/720ml
お気に入り度:8.4/9.0

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2017年02月14日 青森の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

風の森 雄町 純米吟醸 無濾過無加水生酒 笊籬採り 26BY

本日の家飲み 風の森 雄町 純米吟醸 無濾過無加水生酒 笊籬採り 26BY

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 奈良県御所市のお酒です。
 笊籬採り3本飲み比べの最後となります。

 飲み比べのトリを飾るのは、私にとっての殿堂入りスペック、その自家熟成バージョンになります。
 26BYに搾られ、一年近い蔵元熟成を経て平成27年9月に出荷されたものを、更に一年以上我が家の家庭用冷蔵庫に保管した後の平成28年11月に開栓したものですね。
 まあ実際は狙って寝かせたわけではなく(基本的に自分は買って一ヶ月以内には飲むスタイル)、勿体無くて飲むタイミングを逃してしまっただけなのですが…
 家庭用冷蔵庫で1年はどう考えても危険領域なんですよね、ただ購入した伊勢元酒店さんがとても丁寧に新聞紙包装してくれたので、遮光は完璧だったと思います。

 この雄町純吟笊籬採りは風の森の中でも、芳醇・甘旨・フレッシュという三拍子揃った、非常に分かりやすい楽しさが魅力だと思っています。
 それが2年以上の熟成を経たことでどう変わってしまったのか…、おっかなびっくりの開栓です。 

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 現状廃止されてしまった一升瓶のラベル…、懐かしさすら感じます。

 注ぐと、グラスに気泡がついてくれて一安心、ガスは抜けて無いですね。

 上立ち香はある意味予想通りの、少々ガス混じりの熟れた果実の香りがそこそこに。
 含むと、若干の熟成をまとったまさに完熟果実の甘旨味がグググッと入ってきて、少々のガスのピリピリを感じさせつつ、非常に力強く染み入ってきます。
 味わいは、基本は同スペックのいつもの芳醇なマスカット的甘旨味が主役、しかしやはり確たる熟感がありますね、苦味もあって旨味に円熟味と複雑さが加わった印象。
 後味はやはりガスと少々の苦味で引き上げます。

 通常の同スペックから、フレッシュ感と強めの熟感がトレードオフとなった結果のような、ある意味想像通りのお酒でした。
 最初にふわっと広がり、後に含み香の奥の方に感じるほんのりとした熟成香をどう考えるかですね…、正直一年前なら苦手意識が強かったのですが、今なら結構楽しめる自分がいます(ただ、多分生熟限定)
 何というか、飲んでいる間、たまに物凄く旨く感じる瞬間があるというか、複雑さが自分の感覚にハマるタイミングが何回かあったような気がします。
 ただ、ハッとするようなド直球の旨さは無くなってしまうので、基本的にはやっぱりこのお酒は出荷直後に飲むべきなのでしょう。
 とりあえず風の森のこのスペックについては、28BYを何としてでも入手して家飲みしたいと、決意を新たにした今日この頃でした。 

 ちなみに燗を付けると、いい感じで熟感のクセが無くなり、甘旨味をストレートに感じられるようになりました。
 やはり燗推奨ですね、旨味も濃厚になるのにバカスカ飲んでしまう口当たりの優しさもあります。

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参考1:「日本酒感想日誌」さんの同スペックの記事(25BYの半年程度追加熟成)
http://osakasj.blog.fc2.com/blog-entry-840.html

参考2:「飲兵衛廃人の落書き帳」さんの同スペックの記事(27BY四合瓶の半年程度追加熟成)
http://blogs.yahoo.co.jp/kurinotoge/18816801.html

 しかしなぜ日本酒ブロガーは揃ってこのスペックを過熟させてしまうのか…
 まあ何となくそれを誘うような酒質があるんですよね、後、「いつでも飲める」状態を保つ安心感というのもありそうな気がします。

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 最後に記念写真。
 3本立て続けに飲んでしみじみ感じたのは、「やっぱり私は風の森が好きなんだなあ」ということですね。
 味わいの方向性自体が自分の好みにハマり過ぎていて、他銘柄以上に主観的な感想になっているかも…
 ただ、飲んでいるときの幸福感は間違いなく本物ですね、今後もピッタリと追っていきたい銘柄です。

名称:風の森 雄町 純米吟醸 無濾過無加水生酒 笊籬採り 26BY
精米歩合:60%
使用米:雄町
アルコール度:17%
日本酒度:不明
蔵元情報:油長酒造株式会社
購入価格(税抜):3,780円/1,800ml
購入した酒屋さん:伊勢元酒店
お気に入り度:8.5/9.0

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2017年02月12日 奈良の日本酒 トラックバック:0 コメント:2

鳳凰美田 「WINE CELL」 純米吟醸 26BY(蔵元熟成バージョン)

本日の家飲み 本日の家飲み 鳳凰美田 「WINE CELL」 純米吟醸 26BY(蔵元熟成バージョン)

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 栃木県小山市のお酒です。
 ブログでの紹介はようやく5回目。

 私が超ハイレベルな地酒激戦区と考える栃木において、全国レベルの知名度や流通量でまだまだ揺らがない首位にあると思う銘柄、それがこの鳳凰美田です。
 その中でも個人的に好きなスペックが、ワイン酵母を利用したこの「WINE CELL」になります。
 何と今回で、当ブログの鳳凰美田の記事のうち、5回中3回がWINE CELLになってしまいました、ちょっと偏り過ぎですね…

 ただ、今回も買ってしまったのには理由がありまして…、実はこれ、前回に飲んだ26BYのお酒を、蔵元で約2年程度熟成させてから出荷されたものなのです。
 熟成度合の違いを見るという意味ではワインでいうところの「垂直飲み」に近い感じの飲み比べを、一人2年越しでやるというのも面白いと思いセレクトした次第。
 恐らく蔵元としても試験的に熟成させているものなのでしょうね、お値段は据え置きでした。


 上立ち香は落ち着いた、酸を感じる果実の香りが仄かに。
 含むと、酸味強めの非常にキレイな旨味がスルリと入ってきて、時間差で出て来るほんのりとした渋味と相まって、最後まで引き締まったまま喉奥に流れ込んできます。
 旨味は…うーんこりゃ完全に辛めの白ワインとしか言いようがない感じですね、程々の甘味と強めの酸味と渋味がせめぎ合って、全体としては極めて引き締まった印象。
 後味はまさに酸が引き取ってしっかりとキレます。

 二年前とはかなり趣を異にする、酸渋メインのキリリとした、いわゆる食中酒として万能感のあるお酒でした。
 熟成の結果として酸が表に出てくるってのは面白いですね、これはワイン酵母の特性なのかなあ。
 個人的には甘味が引っ込んじゃったのは残念ですが、このラインを好む方も多いことでしょう。
 いつも以上にソガペールエフィスに近い味わいになった気がします。
 これは一般人(私含む)がブラインドで飲んだら8割方ワインと思ってしまうんじゃないかしら…、とてもお米から造られたとは思えない感じかと。
 鳳凰美田、次は流石に他のスペックも試していこうと思います。

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名称:鳳凰美田 「WINE CELL」 純米吟醸 26BY
精米歩合:55%
酒米:不明
アルコール度:16%
日本酒度:不明
蔵元情報:小林酒造株式会社
購入価格(税抜):1,800円/720ml
購入した酒屋さん:矢島酒店
お気に入り度:8.2/9.0

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2017年02月06日 栃木の日本酒 トラックバック:0 コメント:2

桃の里 純米吟醸

本日の家飲み 桃の里 純米吟醸

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 岡山県赤磐市のお酒です。
 家飲み、外飲み含め初めていただきます。
 岡山酒4本目、さかばやしさんでの購入酒3本目、そして出張先購入酒連載のトリを飾る10本目になります。
 (連載の最初の記事はこちら

 この桃の里については、どこかでオススメコメントを見たというふわっとした記憶と、口コミサイト日本酒物語での高評価(実は結構参考にしてます、特に首都圏であまり見ない銘柄について貴重な情報源かと)ぐらいしか事前情報はありませんでした。
 見た目的には、レトロなラベルかつ裏ラベルの情報も貧弱と、正直惹かれる要素は皆無。

 スペック的にも、火入れ有り、度数15度なのでおそらく加水も有りと、私がいつも買うものからはかけ離れたものとなっています。
 蔵元ホームページの商品紹介によると、使用米は地元赤磐産の「朝日」みたいですね。
 実際のところ購入はかなり迷ったのですが、ここで買わなければ一生買う機会が無いかもという予感と、新幹線車内で開けるなら酒質が安定している火入れ酒も良いかなと思いもあってセレクトしました。


 上立ち香は、火入れらしく落ち着いた、しかし個性的な甘さを感じる香りがそこそこに。
 含むと、香りのイメージ通りの落ち着いてトロリとした甘旨味が優しい口当たりで入ってきて、最後まで甘さを主役にしながらもダレずにゆっくりと染み込んできます。
 味わいは、桃というより梨を煮詰めたような(?)芳醇な甘味が絶対的な主役を演じて、かつありがちな酸味や苦味をほとんど感じさせず、しかし心地よい果実感を与えてくれるという、若干私の理解の範疇を超える深みがあるもの。
 後味は、ようやくほんのすこし出てきた苦渋の印象を舌に残して、しっかりとキレます。

 火入れっぽい熟感に近い風味をほんのり感じさせつつ、甘味が野太い上にその風味と喧嘩せずに前向きの落ち着きを感じさせてくれる、極めて珍しいタイプの芳醇甘口酒でした。
 いやあ驚愕しましたね、フレッシュでもジューシーでもないのにフルーツなんですよ、これは本当に初めての経験。
 今まで飲んだお酒の中では雪中梅の純米が一番近いと思うのですが、それよりも更に濃厚かつ複雑味があって、かの黒村祐に近しいものすら感じます。
 詳細はわかりませんが。これが加水有りで二回火入れのお酒だとしたら、今まで私が学んできたスペック知識が根本から崩れてしまうという危険も孕んだお酒ですね。
 これは甘口派なら一度は絶対飲むべき!私にしては珍しく断言します。
(ちょっと気になるのは、私が飲んだのはきっちり冷蔵保存されてたんですよね。これが蛍光灯下の常温棚という過酷な環境で味わいを保てるかまではわかりません…)
 ともかく、桃の里は早急に他のスペックもいただいてみたいと思いました。

 これだけ濃厚なのに、アルコール度が低め(というか一般的には普通)だからか、ガンガンいってしまいました。
 新幹線社内でここまで飲んでしまうとは…(なお、家で飲んだ残りも旨かったです)
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 写真が全体的にブレ気味なのは車内撮影ならではの「味」ということで…
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 さて、10回にも及んだ出張先購入酒連載も最後となりました。
 それぞれハイレベルなお酒だったと思いますが、自分の中では若干桃の里が持って行った感がありますね、それほど衝撃的でした。
 こういうスペック、ラベルのお酒にも未だ知らぬ美酒が日本全国で私を待っているかと思うと、夢が膨らむと同時に限りある人生と肝機能と経済力に若干絶望しますね(笑)
 まあ焦っても仕方がないので、今後もじっくりマイペースに楽しませてもらおうと思います、全国の蔵元さんに改めて感謝を…

名称:桃の里 純米吟醸
精米歩合:50%
使用米:朝日
アルコール度:15%
日本酒度:不明
蔵元情報:赤磐酒造株式会社
購入価格(税抜):1,500円/720ml
購入した酒屋さん:さかばやし(岡山市)
お気に入り度:8.7/9.0

・おまけ:社内のつまみ用に駅ビルのスーパーで購入
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 日本酒的には実に不吉なネーミング(笑)ながら、相性は良くて車内でやっつけてしまいました。

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2017年02月03日 岡山の日本酒 トラックバック:0 コメント:10

柴田酒造店 純米吟醸生酒 「蔵元直送」

本日の家飲み 柴田酒造店 純米吟醸生酒 「蔵元直送」

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 北海道札幌市のお酒です。
 家飲み、外飲み含め初めていただきます、札幌すすきの「ヤマショウ酒店」さんでの購入酒の2本目。

 このお酒の製造元は「日本清酒株式会社」という、いかにもNB(ナショナルブランド)っぽい会社です、代表銘柄は「千歳鶴」。
 では、今回いただく銘柄の「柴田酒造店」とは何ぞやと思ってしまいますが、wikipediaによると、日本清酒の前身となる1872年創業の酒蔵の名前が柴田酒造店だったようです、そこから合併を繰り返して今の姿があるのだとか。
 ラベルにはその酒造りを始めた経緯が記載されており、かなり風変わりな見た目になってますね。

 スペックは北海道産の酒米「吟風」を55まで磨いた純米吟醸生酒、度数を見るにおそらく加水ありかな。
 吟風については前回の「冬花火」も使ってましたね、他県のお酒でもたまに使っているのを見ますし、北海道を代表する酒米と言えるのかも。

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 注ぐと、うすにごりかつ若干黄緑っぽく色づいた、玄人好みの風情。

 上立ち香は、濃厚で少々熟した感じの柑橘系果実の香りがそこそこに。
 含むと、少々青さのある甘酸旨味がググっと入ってきて、裏方にほんのりとした苦味を感じさせつつ、引き締まったまま喉奥に流れ込んできます。
 味わいは、パイナップル的な濃厚甘酸旨味が主役で、それを若干薬臭くクセのある複雑な苦味が締め上げ、ダレ感を防いでいる印象。
 後味はその苦味を舌先に残しつつ、酸味と相まってガッツリキレます。

 フレッシュフルーティーかつ芳醇な甘旨味と、クセのある苦味がせめぎ合う、良くも悪くも新酒らしい荒さがあるお酒でした。
 なんというか、凄く「おしい」というか、薬臭さのクセが洗練されれば一気に人気が出そうな気がしますね…(系統としては花陽浴にかなり近く感じました)
 ただ、まあそのあたりの苦味が全体を引き締めて飲み飽きない感じを演出してもいるので、日本酒の味わいの難しさを感じたりもします。
 日本清酒のお酒はまた機会があればいただいてみたいと思いました。

 温度が上がってくると、クセが強まっちゃう感じかな…
 ここは北海道らしく(?)キンキンに冷やして飲むのがオススメです。
 また、開栓後は苦味がさらに出てきて露骨に下がるような…、まあこれはすぐに飲みきるのがコンセプト的にも合っているでしょう。

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名称:柴田酒造店 純米吟醸生酒 「蔵元直送」
精米歩合:55%
使用米:吟風
アルコール度:15~16%
日本酒度:+5
蔵元情報:小林酒造株式会社
購入価格(税抜):1,600円/720ml
購入した酒屋さん:ヤマショウ酒店(札幌)
お気に入り度:8.2/9.0

・おまけ:出張先のホテル&帰りの飛行機内での一杯
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 さすがに機内で四合瓶は躊躇われました…、千歳鶴は百貨店や空港にもありましたし、地元で相当売っているのでしょうね。
 アル添カップ酒でも、旅情ブーストがかかれば中々に美味しく飲めるものです。

 次回は最後の出張先、岡山のお酒の紹介に入ります。

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2017年01月26日 北海道の日本酒 トラックバック:0 コメント:0

春鹿 純米吟醸 生原酒 二百十日熟成 「立春からの贈り物」

本日の家飲み 春鹿 純米吟醸 生原酒 二百十日熟成 「立春からの贈り物」

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 奈良県奈良市のお酒です。
 家飲みは初めて…と思いきや、同蔵の特別ブランド「而妙酒」を以前紹介していました、同記事はブログ開設直後のものなので、なんと約4年ぶりの家飲みとなりますね。

 このお酒は、大阪出張時に「浅野日本酒店」さんで購入したものです。
 同店は昨年の出張時に初めてお邪魔し、とても好印象だったので、今年もお世話になった次第。
 ただ、今回はどうも大阪産の地酒でピピッとくるものが無かったため、お隣奈良県の春鹿を2本スペック違いで、がっつり試飲の上、購入しました。

 こちらのお酒の特徴は何といっても「二百十日熟成」を謳う「生原酒」であることでしょう。
 「生熟酒」は最近のマイブームで、今期(特に秋期)にも相当いただきましたが、まだまだ蔵元がハッキリとそう名乗るお酒はほとんどないんですよね、ジャンルとして確立していないといいますか。
 そんな中、熟成日数にまでこだわりが透けて見えるこのお酒には惹かれるものがあり、試飲の印象も良かったのでセレクトしました。

 スペックの詳しい記載はありませんが、蔵元通販の商品紹介によると何気に山田錦を使っているようです
 お値段はちと高めではありますが、製造コストから言えばまあ割高ではないでしょう。


 上立ち香は熟した洋梨と言った感じの果実の香りが気持ち強めに。
 含むと、香りの印象通りの熟しきった甘旨味がグワッと入ってきて、ほんのりとしたほろ苦さが奥深さを添えつつ、最後まで存在感を保ったまま力強く染みこんできます。
 味わいはまさに熟しきった果実の、芯のある超濃厚な甘旨味が主役、そして落ち着いた酸味や苦味が裏方に回って
 後味は仄かな苦味を口中に残しつつ、見事に濃厚さを引き取ってキレます。

 生熟酒のお手本のような、複雑芳醇な甘旨味をダレずに楽しませてくれるお酒でした。
 ハッキリと自蔵のお酒の「生熟適正」を認識したうえで、自信を持って出してきている商品という印象がありますね。
 この適正については、やっぱり実際トライ&エラーを繰り返さないと中々把握できないんじゃないでしょうか、他の蔵元さんにも積極的にチャレンジしてもらって、旨く仕上がったらどんどん商品化して欲しいと個人的には思います(リスクも高そうなので、難しいんでしょうけど…)。
 生熟酒は正直好みは分かれるとは思いますが、やっぱり独特な魅力はあるので、いつかは一ジャンルとして確立して欲しいと、このお酒を飲んで改めて思いました。
 次回はもう一本の春鹿をご紹介します。

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名称:春鹿 純米吟醸 生原酒 二百十日熟成 「立春からの贈り物」
精米歩合:55%
使用米:山田錦
アルコール度:17%
日本酒度:-5
蔵元情報:株式会社今西清兵衛商店
購入価格(税抜):1,720円/720ml
購入した酒屋さん:浅野日本酒店(大阪市)
お気に入り度:8.4/9.0

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タグ: 春鹿 純米吟醸

2017年01月20日 奈良の日本酒 トラックバック:0 コメント:4

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